はるかみかんの収穫時期はいつ？旬や育て方、値段まで徹底解説

はるかみかんの収穫時期というキーワードで検索されたあなたは、はるかの旬はいつなのか、具体的な収穫の目安はいつ頃かを知りたいとお考えでしょう。はるかは、そのレモンのような見た目からは想像できない高い糖度から、奇跡のみかんとも呼ばれています。この記事では、はるかみかんの最適な収穫時期や、最も美味しい食べ頃に関する情報はもちろん、主な産地、気になる値段の相場、さらには家庭菜園での育て方のコツ、収穫後の追熟方法は必要なのかまで、詳細にわたって解説します。また、含まれる栄養価と血圧との関連についても触れていきますので、はるかに関するあらゆる疑問を解決できるはずです。

この記事で分かること

• はるかみかんの最適な収穫時期と旬が分かる
• 「奇跡のみかん」と呼ばれる理由と栄養価が分かる
• 家庭菜園での育て方や植え付け時期が分かる
• 収穫の目安や追熟の必要性が分かる

はるかみかんの概要と収穫時期

• 奇跡のみかん と呼ばれる理由
• 主な産地と栽培に適した環境
• 気になる値段の相場は？
• 血圧 にも？はるかの栄養価

奇跡のみかんと呼ばれる理由

はるかが「奇跡のみかん」と称される理由は、主に2つの点に集約されます。それは、「偶然」が幾重にも重なって誕生したという品種の経緯と、レモンのような外見を鮮やかに裏切る「卓越した甘み」です。

まず、その誕生の経緯についてです。はるかは、1980年（昭和55年）に、福岡県糸島郡二丈町（現：糸島市）にお住まいだった石井徳雄氏の自宅の庭で、全くの偶然によって発見されました。親品種である「日向夏（ひゅうがなつ）」の種から自然に発芽・成長した偶発実生（ぐうはつみしょう）だったのです。

さらに驚くべきことに、その親である日向夏自体も、もとは宮崎県で偶然発見された突然変異種とされています。つまり、はるかは「偶然から生まれた品種」から、さらに「偶然によって生まれた品種」であり、この奇跡的な連鎖が「奇跡のみかん」と呼ばれる第一の理由です。

もう一つの理由は、その強烈な「見た目と味のギャップ」にあります。 はるかの果皮は鮮やかなレモンイエローで、表面はややゴツゴツとした質感があります。私たちは「黄色い柑橘＝レモン＝酸っぱい」というイメージを強く持っているため、多くの人が口にする前には強烈な酸味を想像します。しかし、実際に一口食べると、その予想は心地よく裏切られます。酸味は非常に少なく、糖度が13度以上にもなるまろやかで上品な甘さが口いっぱいに広がるのです。

この食べた瞬間の驚きと感動が、「奇跡のみかん」という呼び名を多くの人々の記憶に刻み付けた大きな理由と言えるでしょう。

主な産地と栽培に適した環境

はるかの主な産地は、愛媛県と広島県です。農林水産省の作物統計調査（令和3年産）によると、全国の収穫量2,040トンのうち、愛媛県が799トン（約39%）、広島県が710トン（約35%）となっており、この2県だけで日本全国の生産量の約74%を占めています。（出典：e-Stat 政府統計の総合窓口「作物統計」）

なぜこれらの地域で栽培が盛んなのでしょうか。 それは、はるかのような高品質な甘さを求められる柑橘類の栽培には、特有の地理的条件が必要であり、愛媛や広島の沿岸部にはその「好条件」が揃っている場所が多いためです。

柑橘栽培の好条件とは

一般的に、美味しい柑橘が育つ環境には、以下の3つの要素が重要とされています。

1. 豊富な日光（三方の光） 美味しいみかん作りには、とにかく日光が不可欠です。産地では、空から降り注ぐ直射日光だけでなく、海面からの照り返しの光、そして山の斜面に築かれた段々畑の石垣からの反射光を効率よく浴びせます。これら「三方からの光」を余すところなく浴びることで光合成が最大限に促進され、果実の糖度が高まります。

2. 水はけの良い土壌 柑橘類は、根が常に湿った状態を極端に嫌います。根が長時間水に浸かると、根腐れを起こしやすくなるためです。そのため、山の急斜面を利用した段々畑のような、水はけの良い土壌が栽培に最も適しています。

3. 温暖な気候とミネラルの風 海が近い地域は、海水の温度のおかげで年間を通じて気候が比較的温暖に保たれ、霜害などのリスクが少なくなります。また、海から吹く潮風には、塩分やミネラルが豊富に含まれており、これが柑橘の糖度をさらに高め、味に「コク」を生み出すと多くの農家が指摘しています。

気になる値段の相場は？

はるかの値段は、品質ランク、果実のサイズ、そして販売ルートによって幅がありますが、家庭用の一般的な相場は1kgあたり500円～800円程度です。

はるかは、前述の通り「奇跡のみかん」と呼ばれるほどの希少性があり、栽培にも手間がかかります。また、一般的な温州みかんに比べると市場に出回る流通量がまだ多くないため、価格は少し高めに設定される傾向にあります。

もちろん、贈答用として厳選された、見た目が美しくサイズの揃った高品質なものや、特定のブランドとして箱詰めされたものは、1kgあたり1,000円を超えることも珍しくありません。

旬の時期（2月～3月）になると、近所のスーパーマーケットでも見かける機会が少しずつ増えてきましたが、確実に入手するには以下の場所がおすすめです。

• 百貨店のフルーツ売り場
• 産地の直売所（道の駅など）：鮮度が良く、規格外品が安く手に入ることもあります。
• 生産者や果物専門店のオンラインショップ：産地から直送されるため、新鮮なはるかを手軽に購入できます。

血圧にも？はるかの栄養価

はるかを食生活に取り入れることで、健康維持、特に多くの方が気にする血圧の管理に良い影響が期待できる可能性があります。

これは、はるかを含む多くの柑橘類や果物に、カリウムというミネラルが比較的多く含まれているためです。カリウムは、私たちの体内で余分なナトリウム（塩分）を体外に排出する働きをサポートする重要な役割を担っています。

厚生労働省の情報サイト「e-ヘルスネット」によれば、カリウムは体内の水分バランスを保つためにナトリウムと相互に作用しており、塩分の過剰摂取は高血圧の最大の要因の一つとされています。そのため、カリウムを適切に摂取し、ナトリウムの排出を促すことは、血圧を正常に保つ上で非常に役立つと考えられています。（出典：厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」）

もちろん、はるかにはカリウム以外にも、私たちの健康を支える豊富な栄養素が含まれています。

• ビタミンC: 肌の健康維持を助けるコラーゲンの生成に関わるほか、抗酸化作用を持ち、免疫機能のサポートにも役立つとされています。
• クエン酸: はるかはクエン酸が少ない品種ですが、適度な含有量は爽やかな風味のもとであり、エネルギー代謝を助け、疲労回復をサポートすると言われています。
• 食物繊維: 果肉や内袋には食物繊維も含まれており、腸内環境を整える手助けをします。

（参照：文部科学省 日本食品標準成分表（八訂）増補2023年）

はるかみかんの収穫時期と方法

• はるかの旬はいつ食べ頃？
• 収穫の目安は 色とツヤ
• 目安となる糖度と酸含量
• 収穫後の追熟方法はある？
• 家庭菜園での育て方のコツ
• 植え付けの時期はいつか
• はるかみかんの収穫時期の総括

はるかの旬はいつ食べ頃？

はるかの「収穫時期」と、市場に出回る「食べ頃の旬」には、少しタイムラグがあります。

農家による収穫作業は、早い産地では1月下旬頃から始まります。しかし、はるかは収穫したてよりも、一定期間貯蔵して「追熟（ついじゅく）」させることで酸味が程よく抜け、甘みがより際立つ特性を持っています。

そのため、私たちが店頭で最も美味しく食べられる旬（食べ頃）の時期は、2月～3月頃となります。

はるかは、温州みかんのように冬にこたつで食べるイメージとは異なり、「中晩生カンキツ（ちゅうばんせいかんきつ）」というグループに分類されます。これは、冬の温州みかんのシーズンが終わり、市場からみかんが少なくなる「春先」に旬を迎える柑橘の総称です。

収穫の目安は色とツヤ

はるかの収穫時期を家庭菜園などで見極める目安は、第一に「果実の色」、第二に「表面のツヤ」です。この2点を見れば、成熟度合いを判断しやすくなります。

はるかは熟すにつれて、果皮に含まれるクロロフィル（緑色の色素）が分解され、代わりにカロテノイド（黄色の色素）が目立つようになります。未熟な時期は緑色ですが、成熟が進むとレモンのような鮮やかな黄色へと変化していきます。

1. 色

果実全体が均一な黄色になり、ヘタの周りも含めて緑色がしっかりと抜けてきた状態が完熟の目安です。緑色が残っているうちは、まだ酸味が強く残っている可能性が高いです。

2. ツヤ

果皮にハリと、輝くようなツヤが出てきたら、完熟に近づいている良いサインです。果皮の表面にある油胞（油の入った粒）が充実し、果実が健康に育っている証拠でもあります。

目安となる糖度と酸含量

見た目の変化だけでなく、はるかの収穫適期を判断する「数値的」な基準も明確に存在します。それは、糖度が13度以上、そして酸含量が0.8g/100ml（または0.8%）以下になることです。

糖度13度というのは、一般的な温州みかん（11～12度程度）と比べても高く、しっかりとした甘さを感じられる数値です。一方で、酸含量0.8%以下というのは、柑橘類の中では非常に低いレベルであり、これが「はるか＝酸っぱくない」という最大の特徴を生み出しています。

この基準に達すると、はるか特有の「酸味の少なさ」と「上品な甘さ」のバランスが最も良くなります。福岡県農業総合試験場による研究報告（2000年）によれば、温暖な地域において2月中旬にはこの基準に達し、収穫適期を迎えるとされています。

はるかは、親である日向夏と比較しても糖含量が多く、特に甘みを感じやすい「ショ糖」の割合が高いことが分かっています。一方で、酸味の主成分である「クエン酸」の割合が低く、代わりにまろやかな酸味である「リンゴ酸」の割合が高いため、ツンとした酸味がなく、非常にまろやかな味わいに感じられるのです。

収穫後の追熟方法はある？

はい、はるかは収穫後に「追熟（ついじゅく）」させることで、より酸味が抜け、甘みを強く感じられるようになります。

「追熟」とは、果実を収穫後に一定期間置くことで、果実自体の呼吸作用によって内部の酸（クエン酸など）が消費され、結果として酸味が減少し、糖の甘みが際立つようになるプロセスです。はるかは収穫したての状態だと、わずかな酸味が残っている場合があるため、この追熟が美味しく食べるための重要な一手間となります。

追熟の具体的な方法

追熟の方法は非常に簡単です。 収穫後、または購入後、風通しの良い日陰（暖房の効いていない5～10℃程度の涼しい室内など）で2～3日、長い場合は1週間ほど置いておくだけです。

これにより、果実に残った酸が消費され、甘みがより強く感じられるようになります。

追熟後の保存方法

追熟が終わったはるかは、できるだけ長く鮮度を保つために、乾燥を防ぐことが重要です。1個ずつ新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて軽く口を閉じます。その上で、冷蔵庫の野菜室に入れると、低温（5℃前後）で呼吸作用が抑制され、2～3週間ほど鮮度を保つことが可能です。

家庭菜園での育て方のコツ

はるかを家庭菜園で上手に育てるためのコツは、「①日当たりと水はけ」、「②適切な剪定（せんてい）」、「③施肥（肥料やり）」、「④病害虫対策」の4点です。

1. 日当たりと土壌（植え場所）

前述の通り、柑橘類は日光が大好きです。地植え・鉢植えともに、1日最低でも半日以上は直射日光が当たる場所を選んでください。日照不足は、実付きが悪くなったり、糖度が上がらない最大の原因となります。また、水はけが悪いと根腐れの原因になるため、水はけの良い土壌（鉢植えの場合は市販の柑橘用の培養土など）を使用します。

2. 剪定（せんてい）

剪定は、木の内部まで日差しと風が通るようにし、病害虫の発生を防ぎ、養分を効率よく実に集中させるために非常に重要な作業です。

• 冬剪定（2月～3月）: 木が休眠している発芽前に行う最も重要な剪定です。枯れ枝や病気の枝、内側に向かって混み合っている枝（ふところ枝）、下向きの枝などを根本から取り除き、樹形を整えます。
• 夏剪定（6月～7月）: 勢いよく真上に伸びすぎた枝（徒長枝）や、不要な枝を間引く程度にします。徒長枝は養分を奪うだけで実がなりにくいため、早めに処理します。

3. 施肥（肥料やり）

肥料は、木の成長と美味しい実をならせるために必要不可欠です。適切な時期に適切な量を与えることが重要です。

4. 病害虫対策

はるかは、特に「かいよう病」（皮がボコボコになる）や「そうか病」にかかることがあります。これらは雨水や湿気で広がりやすいため、剪定で風通しを良くすることが最大の予防策です。 害虫では、新芽を狙うアブラムシ、葉を食害するミカンハモグリガやアゲハチョウの幼虫、乾燥する時期に増えるハダニに注意が必要です。

植え付けの時期はいつか

はるかの苗木を家庭菜園に植え付けるのに最適な時期は、春（3月～4月）または秋（9月～10月）です。

木の成長が緩やかで、根へのダメージが少ない穏やかな気候の時期を選びます。根が活発に動く真夏や、霜が降りる真冬の植え付けは、木に大きな負担がかかり枯れる原因にもなるため、絶対に避けてください。

春植え（3月～4月）

最もおすすめの時期です。植え付け後に気温が上がっていくため、根が活発に成長しやすく、木が順調に育ちやすい最大のメリットがあります。冬の寒さが厳しい地域や、柑橘栽培が初めての寒冷地では、冬越しの失敗リスクが少ない春植えが特におすすめです。

秋植え（9月～10月）

冬までに根をある程度張らせる時間が取れるため、温暖な地域であれば秋植えも可能です。ただし、植え付けが遅れると、本格的な寒さまでに根が十分に張れず、冬の寒さや乾燥で苗木が弱ってしまうリスクがあります。

はるかみかんの収穫時期の総括

この記事では、はるかみかんの収穫時期や旬、そして「奇跡のみかん」と呼ばれる理由について、その背景から育て方まで詳しく解説しました。最後に、記事の要点をリスト形式で総まとめします。

• はるかみかんは「奇跡のみかん」と呼ばれる
• 理由は「偶然の誕生」と「見た目と味のギャップ」
• レモンのような見た目だが酸味が少なく甘い
• 1980年に福岡県で発見され1996年に品種登録された
• 主な産地は愛媛県と広島県で全国の7割以上を占める
• 値段の相場は家庭用で1kgあたり500円から800円程度
• オンラインショップや産地直売所が主な購入先
• 柑橘類はカリウムを含み血圧維持に役立つとされる
• 収穫時期は1月下旬から2月頃が目安
• 最も美味しい食べ頃の旬は2月から3月
• 収穫の目安は鮮やかな黄色と果皮のツヤ
• 収穫適期の糖度は13度以上、酸含量は0.8%以下
• 収穫後に日陰で2〜3日追熟させると甘みが増す
• 家庭菜園での育て方のコツは日照・剪定・施肥・病害虫対策
• 植え付け時期は春（3〜4月）か秋（9〜10月）
• 寒冷地での植え付けは寒害リスクの少ない春が推奨される