トマトを青いうちに収穫!美味しい追熟方法と安全な食べ方を解説

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家庭菜園で大切に育てたトマト。鳥に食べられる前や、実が割れてしまう前に収穫したいと考えたとき、「トマトを青いうちに収穫しても良いのだろうか?」と疑問に思ったことはありませんか。スーパーでもトマト農家はなぜ青いうちに収穫するのか、その理由が気になりますよね。収穫後に追熟させて美味しく赤くする方法がある一方で、青いトマトには食中毒のリスクがあるという話も耳にします。青いうちにとっても大丈夫なのか、もし青いまま食べるなら特別な毒抜きは必要なのか、さまざまな疑問が浮かぶはずです。また、天候不順などで青いうちに落ちる実があるのも悩ましい問題です。この記事では、そんなあなたの疑問に全てお答えします。

  • 青いトマトを収穫する理由がわかる
  • 安全で美味しい追熟の具体的な方法を学べる
  • 青いトマトを食べる際の注意点と調理法がわかる
  • 樹上完熟トマトとの味や栄養の違いを理解できる

目次

トマトを青いうちに収穫する理由と基礎知識

  • 青いうちにとっても大丈夫?
  • トマト農家はなぜ青いうちに収穫する?
  • 鳥や実割れ対策で早めに収穫する
  • 完熟前に青いうちに落ちる原因と対策

青いうちにとっても大丈夫?

結論から言うと、トマトを青いうちに収穫しても全く問題ありません。むしろ、家庭菜園や商業栽培の現場では、さまざまな理由から積極的に青い段階で収穫することがあります。トマトは「追熟(ついじゅく)」という、収穫後も成熟が進み、色や味が変化する性質を持っているからです。そのため、まだ緑色の硬い状態で収穫しても、適切な環境に置くことで自然に赤く色づき、美味しく食べられるようになります。

もちろん、枝についたまま太陽の光をたっぷり浴びて完熟したトマトが最も美味しいという意見もあります。しかし、青いうちに収穫することには、それを上回るメリットが存在する場合もあるのです。大切なのは、なぜ青いうちに収穫するのか、そして収穫後にどう扱うべきかを正しく理解することです。次の見出しからは、その具体的な理由と方法を詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

ポイント

トマトは収穫後も熟していく「追熟」という性質を持っています。そのため、青い状態で収穫しても、その後赤くして美味しく食べることが可能です。この性質を理解すれば、収穫のタイミングを柔軟に調整でき、家庭菜園がさらに楽しくなります。

トマト農家はなぜ青いうちに収穫する?

スーパーマーケットに並んでいるトマトが、どれも綺麗な形で傷ひとつないことに気づいたことはありませんか。この品質を保つ秘密こそが、青いうちの収穫にあります。トマト農家が完熟前に収穫する最大の理由は、流通過程で果実が傷むのを防ぐためです。

真っ赤に完熟したトマトは果肉が柔らかく、非常にデリケートです。収穫してから消費者の手元に届くまでには、箱詰め、トラックでの輸送、市場での仕分け、店舗への配送といった多くのステップがあります。この過程で完熟トマトは、振動や圧力で簡単につぶれたり、皮が裂けたりしてしまいます。

そこで、まだ果肉が硬くしっかりしている青い段階(品種によっては少し白っぽくなった段階)で収穫し、流通の過程で追熟させるのです。これにより、店舗に並ぶタイミングでちょうど良い食べごろになるよう調整しています。日持ちが良くなるというメリットもあり、フードロスの削減にも繋がっています。

豆知識:流通におけるトマトの色づき基準

JA(農業協-同組合)などでは、トマトの出荷規格として色づきの段階を細かく定めている場合があります。生産者はその基準に従い、輸送距離や時間を逆算して最適な熟度のトマトを収穫・出荷しています。これにより、全国どこでも安定した品質のトマトが届けられています。

鳥や実割れ対策で早めに収穫する

家庭菜園を楽しむ方にとって、鳥による食害実割れ(裂果)は非常に悩ましい問題です。丹精込めて育てたトマトが、収穫直前に食べられてしまったり、割れてしまったりするのは避けたいですよね。この対策としても、青いうちの収穫は非常に有効な手段となります。

鳥による食害の防止

鳥はトマトが赤く色づき、甘い香りがしてくると食べごろと認識して狙ってきます。特にヒヨドリなどは、くちばしで突いて中身を食べてしまいます。防鳥ネットを張る方法もありますが、完全に防ぐのは難しい場合も少なくありません。そこで、鳥に狙われる前の青い段階で収穫してしまえば、被害を未然に防ぐことができます。安全な室内で追熟させることで、確実に収穫の喜びを味わえます。

実割れ(裂果)の防止

トマトは、成熟期に急激に水分を吸収すると、果肉の成長スピードに皮が追いつけずに割れてしまうことがあります。特に、長期間雨が降らなかった後のまとまった降雨は、実割れの大きな原因です。雨が降る前に青い実を収穫しておくことで、このリスクを回避できます。割れた部分から雑菌が入り、腐敗する心配もなくなります。

せっかくここまで大きく育ったのだから、最後は自分の手で美味しくしてあげたいですよね。少し早めの収穫は、トマトを守るための賢い選択と言えます。

完熟前に青いうちに落ちる原因と対策

意図せずトマトの実が青いうちにポロっと落ちてしまうことがあります。これは「落果」と呼ばれ、いくつかの原因が考えられます。主な原因は、環境ストレスです。例えば、以下のような状況が引き金になることがあります。

  • 水分の過不足:土が極端に乾燥したり、逆に過湿状態が続いたりすると、株がストレスを感じて実を落とすことがあります。
  • 日照不足:トマトの生育には十分な日光が必要です。梅雨時期などで日照不足が続くと、株が栄養を作り出せず、実を維持できなくなる場合があります。
  • 急激な温度変化:特に、夜間の温度が急に下がると、トマトは生育を維持するために自ら実を落として負担を軽くしようとすることがあります。
  • 栄養バランスの乱れ:肥料の中でも特に窒素成分が多すぎると、葉や茎ばかりが茂り、実への栄養供給が滞って落果しやすくなります。

対策としては、まず適切な水やりを心がけることが基本です。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、水のやりすぎには注意しましょう。また、日当たりと風通しを良くするために、余分な脇芽や葉を摘み取る「整枝」をこまめに行うことも重要です。肥料は、実を育てるために重要なリン酸やカリウムが多く含まれたものを追肥として与えると良いでしょう。


トマトを青いうちに収穫した後の活用法

  • 「追熟」で美味しくする基本の方法
  • りんごを使ってトマトを早く赤くする
  • 青いトマトの食中毒リスクについて
  • 毒抜きは不要?青いまま食べる調理法
  • 樹上完熟と追熟トマトの味の違い

「追熟」で美味しくする基本の方法

青いまま収穫したトマトは、「追熟」させることで赤く、美味しくなります。追熟を成功させるポイントは「温度」「エチレンガス」です。トマトが赤くなるためには、光よりも温度が重要です。追熟に適した温度は20℃〜25℃とされており、この温度帯を保てる室内の常温で保存するのが基本となります。直射日光が当たる窓辺は、日中の温度が上がりすぎてしまい、逆に果肉が傷む原因になることがあるため避けた方が良いでしょう。

追熟の方法はとても簡単です。

  1. 収穫した青いトマトを、ヘタを下にして重ならないようにザルや新聞紙の上に並べます。ヘタを下にするのは、ヘタ周辺の果肉が硬く、重みによる傷みを防ぐためです。
  2. 風通しの良い、直射日光の当たらない室内の涼しい場所(リビングやキッチンなど)に置きます。
  3. 数日から1週間程度で、徐々に緑色が薄くなり、オレンジ色を経て赤く色づいていきます。

このとき、冷蔵庫に入れるのは絶対に避けてください。カゴメ株式会社の公式サイトによると、トマトを冷蔵庫で長時間冷やすと、風味や甘みが損なわれる可能性があるとされています。食べる直前に数時間冷やすのがおすすめです。

りんごを使ってトマトを早く赤くする

「もう少し早くトマトを赤くしたい」という場合には、ある果物を使った裏技が効果的です。その果物とは、りんごです。りんごは、植物の成熟を促す植物ホルモンの一種である「エチレンガス」を多く放出することで知られています。このエチレンガスの働きを利用して、トマトの追熟をスピードアップさせることができます。

やり方は非常にシンプルです。

りんごを使った追熟の簡単ステップ

  1. ポリ袋(ビニール袋)を用意します。
  2. 追熟させたい青いトマトと、りんご1個を一緒に入れます。
  3. 袋の口を軽く縛り、室温で保存します。

こうすることで、袋の中にりんごが放出したエチレンガスが充満し、トマトの成熟を強力に促進します。りんごの他にも、バナナや熟したメロンなどもエチレンガスを多く放出するため、同様の効果が期待できます。

注意点:鮮度保持袋は使わないで!

野菜の鮮度を長持ちさせるための「鮮度保持袋」は、エチレンガスを吸収・分解して野菜の老化を防ぐ機能を持っています。追熟を目的とする場合は、この機能が逆効果になってしまうため、普通のポリ袋を使用してください

青いトマトの食中毒リスクについて

青いトマトを扱う上で、知っておくべき重要な点があります。それは、未熟な青いトマトには「トマチン」というアルカロイド系の成分が含まれていることです。このトマチンは、じゃがいもの芽に含まれるソラニンと似たような性質を持つ自然毒で、大量に摂取すると吐き気や腹痛、下痢といった食中毒の症状を引き起こす可能性があるとされています。ただし、トマチンはトマトが熟して赤くなるにつれて分解され、減少していきます。

どのくらいの量を食べると危険なのかについてですが、体重50kgの人が一度に約3.4kg(トマト約34個分)の未熟なトマトを食べると半致死量に至る程度という情報があります。(参照:日本植物生理学会

健康情報に関する注意

一般的に、家庭で調理して少量食べる程度であれば、重篤な健康被害に至る心配は低いと考えられています。しかし、特に小さなお子様や、胃腸が弱い方、妊婦の方は、未熟な青いトマトを食べるのは避けた方が賢明です。食べる場合でも、一度に大量に食べるのはやめましょう。

安全に楽しむためには、しっかりと追熟させて赤くしてから食べるか、後述する加熱調理を行うことをおすすめします。

毒抜きは不要?青いまま食べる調理法

前述の通り、青いトマトにはトマチンが含まれていますが、特別な「毒抜き」のような下処理は通常必要ありません。アク抜きのために水にさらすという方法もありますが、それよりも加熱調理をすることが最も簡単で効果的な対策です。トマチンは熱に強い性質を持っていますが、加熱することで味がまろやかになり、青臭さも和らぎます。また、油と一緒に調理することで、トマトに含まれる脂溶性の栄養素の吸収率も高まります。

青いトマトは、完熟トマトにはない硬めの食感と、爽やかな酸味が魅力です。その特徴を活かしたレシピで楽しむのがおすすめです。

おすすめの青いトマトレシピ

  • フライドグリーントマト:輪切りにした青いトマトに衣をつけて揚げる、アメリカ南部の郷土料理です。外はサクサク、中は程よく火が通ってジューシーな食感が楽しめます。
  • ピクルス:爽やかな酸味を活かして、甘酢漬けにするのも人気です。箸休めにぴったりな一品になります。
  • 炒め物:豚肉やベーコンなど、脂の旨味がある食材と一緒に炒めると、酸味が良いアクセントになります。
  • ジャム:砂糖を加えて煮詰めれば、爽やかな風味のジャムを作ることもできます。

生で食べる場合は、薄くスライスしてサラダのアクセントにするなど、少量に留めておくと良いでしょう。

樹上完熟と追熟トマトの味の違い

「青いうちに収穫して追熟させたトマトと、樹になったまま完熟させたトマト、結局どっちが美味しいの?」という疑問は、多くの方が持つところでしょう。結論としては、一般的に味の濃厚さや甘みは樹上完熟トマトの方が優れていると言えます。その理由は、味の元となる糖分やアミノ酸などの栄養素の作られ方にあります。

項目 樹上完熟トマト 追熟トマト
栄養供給 収穫される直前まで、葉で作られた光合成産物(糖分など)が実に送られ続ける。 収穫された時点で、親株からの栄養供給はストップする。
味の特徴 甘みと酸味のバランスが良く、風味が豊かで濃厚な味わいになる。 収穫時に蓄えられていたデンプンが糖に変わるため甘くはなるが、樹上完熟ほどの濃厚さにはなりにくい。
食感 果肉が柔らかく、ジューシー。 比較的果肉がしっかりしている。
栄養価 リコピンやビタミンなどの含有量が高い傾向にある。 追熟の過程でリコピンは増加するが、他の栄養素は樹上完熟に及ばない場合がある。

このように言うと、追熟トマトが劣っているように聞こえるかもしれません。しかし、これはあくまで比較した場合の話です。追熟させたトマトも十分に美味しく、何よりも「鳥害や実割れを防ぎ、確実に収穫できる」という大きなメリットがあります。家庭菜園では、天候や畑の状況を見ながら、両方の方法を使い分けるのが最も賢いやり方と言えるでしょう。

目的別!トマトを青いうちに収穫する判断

  • トマトを青いうちに収穫することは問題ない
  • 収穫後に熟させる「追熟」が可能だから
  • 農家が青いうちに収穫するのは流通のため
  • 輸送中の傷みを防ぎ日持ちを良くする目的
  • 家庭菜園では鳥害や実割れの対策になる
  • 赤く熟す前に収穫すれば被害を防げる
  • 追熟のポイントは20℃から25℃の常温
  • 直射日光を避けヘタを下にして置く
  • りんごを一緒に入れると追熟が早まる
  • りんごが出すエチレンガスが成熟を促進する
  • 青いトマトには自然毒「トマチン」が含まれる
  • 大量摂取は食中毒リスクがあるため注意が必要
  • 青いまま食べるならピクルスなど加熱調理が安心
  • 味の濃厚さでは樹上完熟トマトが優れる
  • 状況に応じて収穫タイミングを判断するのが最善

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