100均プランターでいちご栽培!プロが教える選び方と土作り

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こんにちは。今日も田んぼと畑から、運営者の「あつし」です。

自宅のベランダや庭で、真っ赤に熟した甘いイチゴを収穫する。そんな憧れを抱いて、園芸コーナーに足を運んだことはありませんか?特に最近の100円均一ショップ(ダイソー、セリア、キャンドゥなど)は、園芸用品のラインナップが驚くほど充実しており、「これなら私にもできるかも!」と期待に胸が膨らみますよね。

日本人は世界的に見ても無類のイチゴ好きと言われており、その生食消費量は世界一だとも言われています(出典:農林水産省『aff 2019年12月号特集1 いちご』)。そんな国民的フルーツを、もっと身近に、もっと手軽に楽しみたいという思いから、「100 均 いちご プランター」と検索されている方が非常に多いのも頷けます。

しかし、ここで少し厳しい現実をお伝えしなければなりません。イチゴは「可愛い見た目に反して、栽培難易度は意外と高い」植物です。実際に、「100均のプランターと土でやってみたけど、葉っぱが枯れて終わった」「実が親指の爪サイズにしかならなかった」という失敗談は後を絶ちません。私自身も農業を始めた当初、コストを抑えようとして安易な資材選びで痛い目を見た経験があります。

ですが、諦める必要はありません。失敗の主な原因は、100均の商品そのものが悪いのではなく、「イチゴという植物の生理的特性」と「資材の特性」のミスマッチにあるからです。つまり、そのギャップを知識と少しの工夫で埋めてあげれば、100均資材でもプロ顔負けのイチゴを育てることは十分に可能なのです。

この記事では、兼業農家として日々作物と向き合っている私が、植物生理学的な視点を交えつつ、100均アイテムを「イチゴ専用仕様」にアップデートする裏技を徹底解説します。単なる節約術ではなく、理に適った栽培ノウハウとして、あなたの家庭菜園ライフをサポートします。

この記事で得られる知識

  • イチゴの根の構造に基づいた、失敗しない「深型プランター」の選び方
  • 100均の土を劇的に改良し、根腐れを防ぐ「黄金比率」の配合レシピ
  • 枯れる原因を科学的に分析し、それを防ぐための具体的な環境制御術
  • 1年で終わらせない!ランナーを活用して無限にイチゴを楽しむサイクルの作り方
目次

100均いちごプランターの選び方と土の改良

イチゴ栽培の成否の8割は、「準備」で決まると言っても過言ではありません。苗を植えてから慌てて対策をしても、植物は正直なので、最初の環境が悪ければすぐに不調を訴えます。100均の棚に並ぶ色とりどりのプランターや土の中から、イチゴにとって「住み心地の良い家」となるものを厳選し、さらにそれをリフォームしていくプロセスを解説します。

深型プランターが栽培に最適な理由

まず、プランター選びにおける最大の落とし穴についてお話しします。多くの初心者の方が、ベランダのスペースに合わせて「横長の長方形プランター(標準的な65cmプランター)」や、見た目が可愛い「浅めのボウル型プランター」を選びがちです。しかし、イチゴ栽培において「浅さ」は致命傷になりかねません。

なぜなら、イチゴの根は「酸素要求量が極めて高い」からです。植物の根も私たちと同じように呼吸をしています。土の中の隙間に酸素があって初めて、根は健全に活動し、水や養分を吸い上げることができます。浅いプランターは、水やりをした後に重力で水が抜けきるための「水柱(すいちゅう)の高さ」が確保できないため、鉢底付近が常にジメジメとした過湿状態(滞水状態)になりやすいのです。この酸素不足の状態が続くと、根は呼吸ができずに窒息し、やがて腐ってしまいます。これがいわゆる「根腐れ」の正体です。

そこでおすすめしたいのが、100均でも最近増えている「深型(ディープタイプ)」の丸鉢や、側面にスリットが入った鉢です。深さがあることで、余分な水が重力によってスムーズに排出され、土の上層部に新鮮な空気が入り込みやすくなります。理想的な深さは20cm以上です。

特に「スリット鉢」と呼ばれる、側面に切れ込みが入ったタイプは優秀です。これには「サークリング現象(根が鉢の壁面に沿ってぐるぐると回ってしまい、土の内部を活用できなくなる現象)」を防止し、根を下方へ、そして土の中心部へと誘導する効果があります。100均で見つからない場合は、ポリプロピレン製の深型ゴミ箱や収納ボックスの底に、ドリルや熱したキリで多めに穴を開けて代用するのも一つの手です(ただし強度は要確認)。

もし、どうしても標準的な長方形プランター(深さ15cm程度)を使いたい場合は、土を入れる量を縁ギリギリまで増やし、植える株数を減らしてください。60cmプランターなら通常3株植えたくなりますが、あえて「2株」に抑えます。これにより、1株あたりの土の量(根が使えるスペースと保水バッファ)を確保し、過密による蒸れや病気を防ぐことができます。この「贅沢なスペース使い」こそが、安価な資材で成功率を高める逆説的なテクニックなのです。

吊り下げで育てる際の注意点

「ベランダに置き場所がない」「ナメクジに食べられたくない」という理由から、空中のスペースを活用するハンギング(吊り下げ)栽培に関心を持つ方も多いでしょう。100均のワイヤーバスケットにヤシマット(ココヤシ繊維のマット)を敷いてイチゴを植えるスタイルは、見た目もカフェのようにお洒落でSNS映えも抜群です。

しかし、このスタイルはイチゴ栽培において「難易度S級」だと思ってください。最大の敵は「乾燥」です。空中に吊るされたプランターは、上だけでなく、底面や側面からも風にさらされます。特にヤシマットは通気性が良すぎるため、晴れた日には朝たっぷりと水をあげても、昼過ぎにはカラカラに乾いてしまうことも珍しくありません。イチゴは果実の90%以上が水分でできており、開花から収穫期にかけて大量の水を必要とします。この時期に水切れを起こすと、果実が大きくならず、しぼんでしまったり、最悪の場合は株ごと枯死してしまいます。

それでも吊り下げ栽培に挑戦したい場合は、100均資材をそのまま使うのではなく、必ず「保水機能を強化するカスタマイズ」を行ってください。

吊り下げ栽培の強化手順

  1. 100均のワイヤーバスケットにヤシマットをセットします。
  2. その内側に、穴を開けたビニールシート(100均の厚手ゴミ袋や園芸シートをカットしたもの)を一枚挟みます。
  3. ビニールの底部分には、排水用の穴を数箇所しっかり開けておきます。
  4. その中に土を入れてイチゴを植え付けます。

このように、ヤシマットと土の間にビニールの層を作ることで、側面からの過剰な水分蒸発を防ぐことができます。また、使用する土には、保水性の高い「バーミキュライト」の配合比率を通常より高め(20%程度)に設定し、土そのものの水持ちを良くする工夫も必須です。風の強い日や真夏日は、吊り下げたままにせず、床に下ろして日陰に避難させるなどの細やかなケアも求められます。「お洒落には手間がかかる」という覚悟を持って挑んでください。

100均の土をいちご用に調整する

プランターが決まったら、次は「土」です。ここが最もコストを削りたくなる部分ですが、同時に最もケチってはいけない部分でもあります。100均で売られている「花と野菜の土」や「万能培養土」は、袋を開けてそのまま使える便利な商品ですが、イチゴにとってはいくつか弱点があります。

多くの100均培養土は、ココピート(ヤシ殻繊維)やバーク堆肥などの有機物が主体で、非常に軽量です。これは持ち運びには便利ですが、物理的な構造が弱く、水を含むと泥状になりやすく、逆に乾燥すると撥水(水を弾く)してしまい、水やりしても水が染み込まないという現象が起きがちです。また、肥料持ち(保肥力)や、植物の体を支える力も弱いため、イチゴのような実をならせる長期栽培の作物にはスタミナ不足と言えます。

そこで、100均の土をベースにしつつ、別の100均資材を混ぜ合わせて、専門店の高級培養土に匹敵する物理性を再現する「あつし流・イチゴ専用ブレンド」を伝授します。

資材名 推奨配合比(体積) 役割と科学的根拠
花と野菜の土 50% ベース基質
有機質の供給と基本となる保水性を担います。
赤玉土(小粒) 30% 物理性の改善(最重要)
火山灰土を焼き固めた粒状の土。これが混ざることで土の中に「団粒構造」が生まれ、酸素の通り道と排水路が確保されます。時間が経っても土が固くなるのを防ぎます。
バーミキュライト 10% 保肥力・保水力強化
多孔質で陽イオン交換容量(CEC)が高く、肥料成分を吸着して植物が必要な時に放出する役割を果たします。
腐葉土 10% 微生物活性化
土壌微生物の餌となり、土をふかふかに保ちます。100均の土にも含まれていますが、さらに追加することで地力を上げます。

この中で一つだけ絶対に外せないのが、「赤玉土を3割混ぜる」ことです。たったこれだけ?と思われるかもしれませんが、効果は絶大です。赤玉土の粒々が土の中に混ざることで、プランター内に「気相(空気のスペース)」が確保され、イチゴの根が窒息するのを防いでくれます。100均の培養土は黒っぽいフカフカした土ですが、そこに赤っぽい粒々が混ざることで、見た目もプロっぽくなりますよ。混ぜる際は、大きめのバケツやビニール袋の中で、全体が均一になるようによく撹拌してください。

水耕栽培のリスクと土耕の利点

最近のYouTubeやSNSでは、100均のザルとボウル、そしてスポンジを使った「イチゴの水耕栽培」がトレンドになっています。「土を使わないから虫が来ない」「キッチンで手軽にできる」というキャッチコピーは非常に魅力的です。しかし、兼業農家としての立場から言わせていただくと、初心者がいきなり水耕栽培でイチゴを収穫まで持っていくのは、土耕栽培の何倍も難しいです。

その最大の理由は、やはり「酸素」です。土耕栽培の場合、土の粒と粒の間に自然と空気が存在するため、根は常に呼吸ができます。しかし、水耕栽培(特にポンプを使わない湛液型)では、水中の溶存酸素があっという間に消費されてしまいます。イチゴの根は酸素欠乏に対する耐性が低く、水に浸かりっぱなしの状態が続くと、根の細胞が壊死し、茶色くドロドロに溶けてしまいます。

また、土には「バッファ機能(緩衝作用)」という素晴らしい能力があります。これは、肥料を与えすぎたり、水質が多少変化したりしても、土の粒子がそれを吸着・中和して、急激な環境変化から根を守ってくれる働きです。水耕栽培にはこのバッファがないため、液肥の濃度を間違えたり、pHが崩れたりすると、そのダメージがダイレクトに植物に伝わり、一晩で枯れてしまうこともあります。

もちろん、エアレーション(金魚用のブクブク)を導入したり、こまめに水を替えたりすれば成功の可能性はありますが、それはもはや「手軽」とは言えません。まずは失敗のリスクが低く、植物にとって自然な環境に近い「土耕栽培(プランター)」で、イチゴがどのように育つのか、花がどう咲くのかといった基礎を学ぶことを強くおすすめします。水耕栽培への挑戦は、土での栽培に慣れてからでも遅くはありません。

スタンドを活用した環境作り

プランターと土の準備ができたら、最後に「置き場所」の環境を整えましょう。ここでぜひ活用してほしいのが、100均の「フラワースタンド(鉢台)」や「キャスター付き台」です。「プランターなんて床に置けばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、直置きには多くのデメリットがあります。

第一に「地熱」の問題です。マンションのベランダなどのコンクリート床は、夏場には直射日光を浴びて50℃近くまで温度が上昇します。プランターを直置きしていると、この熱がダイレクトに伝わり、鉢の中が「お湯」のような状態になってしまいます。これでは根が茹で上がってしまい、ひとたまりもありません。

第二に「害虫」の問題です。ナメクジやダンゴムシ、ヤスデなどの不快害虫は、湿気のある場所を好んで地面を這って移動します。プランターが床に接していると、底穴から容易に侵入されてしまいます。特にナメクジはイチゴの実が大好物なので、一晩で食い荒らされてしまうこともあります。

100均スタンド活用のメリット

  • 通気性の確保:鉢底の風通しが良くなり、根腐れリスクがさらに低下します。
  • 断熱効果:地面から数センチ〜数十センチ離すだけで、地熱の影響を劇的に軽減できます。
  • 光合成の促進:キャスター台を使えば、時間帯によって日当たりの良い場所へコロコロと移動させることができます。イチゴは日光を浴びれば浴びるほど甘くなるので、この「機動力」は味に直結します。

スタンドは、アイアン製のおしゃれなものから、実用的なプラスチック製のものまで多種多様です。自分の栽培スペースに合ったものを選び、イチゴを「特等席」に座らせてあげてください。

100均いちごプランターでの成功する育て方

道具と土の準備というハード面の整備が完了しました。ここからは、実際に苗を植えてから収穫し、そして来年に繋げるまでのソフト面、つまり「栽培管理のノウハウ」について深掘りしていきます。イチゴは植え付けから収穫まで半年以上かかる長い旅ですが、季節ごとの急所さえ押さえれば、それほど恐れることはありません。

苗の植え付け時期と正しい手順

イチゴの苗は、ホームセンターや園芸店で主に秋(10月〜11月)と春(3月〜4月)に販売されます。初心者の方がどちらを選ぶべきかと言えば、迷わず「秋植え」をおすすめします。なぜなら、イチゴには「一定期間の低温に遭遇することで花芽(花の赤ちゃん)が作られる」という性質があるからです。秋に植えて、冬の寒さをしっかりと体験させることで、春になると充実した花が次々と咲き誇ります。春植えの苗も販売されていますが、既に花芽が形成されているものを選ぶ必要があり、根が張る前に実をつけることになるため、株が疲れやすく収穫量が少なくなる傾向があります。

さて、いよいよ植え付けですが、ここで最も神経を使うべきポイントが「植え付け深度(深さ)」です。イチゴの株元には「クラウン」と呼ばれる、葉柄が重なり合った短縮茎があります。王冠のような形をしているのでクラウンと呼ばれますが、ここはイチゴの心臓部であり、新しい葉や花芽が出てくる成長点です。

  • 深植え(NG):クラウンが土に埋もれてしまう状態。成長点に土が入ると、そこから腐敗菌が入り込み、株全体が腐って枯れてしまいます。
  • 浅植え(NG):クラウンの下の根が見えてしまっている状態。根が空気にさらされると乾燥してダメージを受け、株がぐらついて活着(根付くこと)しません。
  • 適正植え(OK):クラウンが土の上に出ていて、かつ根元が隠れている状態。「クラウンは地上部、根は地下部」という境界線を守ります。

この絶妙な深さをコントロールするのに役立つのが、100均の「筒型土入れ(ステンレスやプラスチック製のスコップ)」です。一般的な移植ゴテだと幅が広すぎて、株元の細かい隙間に土を入れるのが難しいのですが、筒型土入れなら細い注ぎ口からピンポイントで土を流し込むことができます。片手でイチゴの葉を優しく持ち上げ、もう片方の手で株元に土をサラサラと入れていく作業は、まるでパティシエがデコレーションをするような繊細さが必要です。

また、植え付けの向きにもコツがあります。イチゴの苗には、親株から伸びてきたランナー(切り離された茎の跡)が残っています。花房(実がなるところ)は、このランナーとは反対側に伸びてくる性質があります。つまり、ランナーの跡をプランターの内側に、花が咲く方を外側に向けて植え付けると、収穫の際に実がプランターの縁からぶら下がりやすくなり、管理がしやすく、見た目も美しくなります。これを知っているだけで、収穫時の楽しさが倍増しますよ。

いちごが枯れる原因と水やり管理

「毎日欠かさず水をあげていたのに、気づいたら枯れていた…」

これは、いちご栽培初心者が陥りやすい失敗の代表例です。実は、植物を枯らしてしまう原因のナンバーワンは「水のやりすぎ」だということをご存知でしょうか。特にいちごは、前の章でも触れた通り、根が大量の酸素を必要とします。土の表面がまだ濡れているのに、可愛さ余って毎日ジャブジャブと水を与え続けると、土の中の空気が水で追い出され、根が呼吸困難に陥り、最終的に腐ってしまいます。

逆に、プランター栽培は「水切れ」のリスクとも隣り合わせです。一度カラカラに乾燥させてしまうと、いちごの毛細根(細かい根)はすぐに死滅してしまい、慌てて水をあげても回復しないことがあります。つまり、いちごの水やりは「土の表面が乾いたら、たっぷりとあげる」という、基本にして究極のバランス感覚が求められるのです。

では、どうやってそのタイミングを見極めれば良いのでしょうか?100均には「水分計」も売っていますが、私はもっと確実でお金のかからない方法を推奨しています。それは「指を使った触診」です。

あつし流・水やりの極意(指テスト)

土の表面を見るだけでなく、人差し指を第一関節(約2〜3cm)までズボッと土に挿し込んでみてください。表面は乾いて白っぽくなっていても、指先が湿っていれば、水やりはまだ不要です。指先まで乾いていると感じた時こそが、ベストな水やりのタイミングです。

また、季節によっても水やりのルールは変わります。

【冬の水やり(12月〜2月)】
いちごは休眠していますが、生きています。冬場は土が乾きにくいので、水やりの頻度は数日に1回(あるいは1週間に1回)程度に減りますが、完全に断水すると枯死します。「忘れた頃にあげる」のがコツですが、ここで絶対に守ってほしいルールがあります。それは「必ず暖かい日の午前中にあげること」です。夕方に水をあげると、夜間の冷え込みで鉢内の水分が凍結し、根を傷める原因になります。

【春の水やり(3月〜5月)】
新芽が動き出し、花が咲くと、いちごの吸水量は爆発的に増えます。この時期に水切れさせると、実が大きくならなかったり、形がいびつになったりします。晴れた日は毎日チェックし、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えて、新鮮な酸素を土の奥まで届けてあげましょう。

肥料を与えるタイミングと量

美味しいいちごを作るためには、適切なタイミングでの栄養補給が欠かせません。「肥料食い」とも言われるいちごですが、やみくもにあげれば良いわけではなく、100均の肥料を使う場合でも、タイミングを間違えると逆効果になります。

100均の園芸コーナーに行くと、様々な肥料が並んでいますが、いちご栽培におすすめなのは以下の2つです。

  1. 発酵油かす(固形):有機質の肥料で、ゆっくりと長く効きます。元肥や冬の追肥に向いています。
  2. 野菜用化成肥料(粒状):即効性があります。春先の生育期に素早く効かせたい時に便利です。

これらを使い分けるスケジュールをまとめました。この通りに実践すれば、肥料不足で失敗することはまずありません。

時期 肥料の種類 目的とポイント
10月〜11月
(植え付け時)
元肥(もとごえ)
緩効性肥料
スタートダッシュの体作り
土作りの段階で、土に混ぜ込んでおきます。100均の「花と野菜の土」には最初から肥料が入っている場合が多いので、その場合は規定量の半分程度を追加するか、なしでも構いません。
2月中旬〜下旬
(休眠明け)
追肥(ついひ)
化成肥料または油かす
春の目覚めへのエネルギー
新芽が動き出す直前に与えます。ここで栄養を与えることで、花数が増え、立派な葉が展開します。
4月上旬
(開花・肥大期)
追肥(ついひ)
化成肥料
実を甘く大きくする
次々と実がなり体力を消耗するため、即効性のある化成肥料を少量与えます。

肥料を与える際に、絶対にやってはいけないことがあります。それは「クラウン(株の中心)に肥料をかけること」です。肥料の成分が直接成長点に触れると、高濃度の塩分によって組織が脱水し、「肥料焼け」を起こして枯れてしまいます。

追肥をする際は、株元から離れた「プランターの縁(ふち)沿い」にパラパラと撒き、軽く土と混ぜ合わせるのが正解です。「少なめを回数多く」与えるのがプロの技ですが、初心者のうちはパッケージに書かれている用量を守り、決して「元気がないからたくさんあげよう」と思わないことが大切です。過ぎたるは及ばざるが如し、肥料過多は病気やアブラムシを招く原因にもなります。

ネットを使った鳥や虫への対策

春の陽気と共に、白くて可愛い花が咲き、やがて小さな緑の実が膨らみ始めます。そして、待ちに待った収穫の時。真っ赤に色づいた宝石のようないちごを見た時の感動はひとしおです。

しかし、感動しているのは人間だけではありません。ヒヨドリやムクドリなどの鳥たちは、空の上から驚くべき視力で「食べ頃」を見定めています。「明日の朝、収穫しよう」と楽しみにしていたいちごが、翌朝には無残につつかれていた…という悲劇は、家庭菜園あるあるの筆頭です。また、地面からはナメクジが忍び寄り、甘い香りに誘われて実を齧ります。

これらからいちごを守るためには、100均グッズを駆使した「物理的防御」が最強かつ唯一の手段です。

【対・鳥対策】100均要塞化計画

用意するのは、ダイソーやセリアで売っている「アーチ支柱(2本セット)」「防鳥ネット(または防風ネット)」、そして「洗濯バサミ」です。

  1. プランターの両端にアーチ支柱を差し込み、トンネルの骨組みを作ります。
  2. その上からネットをふわっと被せます。この時、隙間ができないようにプランターの下までしっかりと覆うのがポイントです。
  3. 裾を洗濯バサミでプランターの縁に固定します。

これで鳥は手出しができません。水やりはネットの上からシャワーでかければ良いので、管理も楽ちんです。

次に、意外と厄介なのがナメクジや、実が土に触れることで起きる腐敗です。これを防ぐ裏技としておすすめなのが、キッチンの排水口に使う「水切りネット(浅型・ストッキングタイプ)」の活用です。

色づき始めたいちごの実に、この水切りネットを一つずつ優しく被せ、口の部分を緩く縛っておきます。こうすることで、実が直接土に触れるのを防ぎ、ナメクジの食害バリアになります。また、万が一地面に落ちても泥がつかず、清潔なまま収穫できます。少し手間はかかりますが、1パック数十枚入りの100均ネットで、大切に育てたいちごを完璧に守れるなら安いものです。

病害虫については、早期発見が鍵です。特に春先に発生しやすい「うどんこ病」や「灰色かび病」は、風通しの悪さが原因です。枯れた葉や古い葉はこまめに取り除き、株元の風通しを良くしておきましょう。具体的な病気の症状や対策については、公的な情報も参考にすると安心です(出典:農林水産省『いちごの病害虫防除』)。

100均グッズで行う冬越しの方法

いちご栽培において、冬(12月〜2月)は「耐える時期」です。いちご自体は寒さに非常に強く、雪の下になっても枯れることはありません。しかし、限られた土量しかないプランター栽培では、「土の凍結」という深刻な問題が発生します。

水分を含んだ土が凍ると、体積が増えて膨張し、土の表面が持ち上がる「霜柱」が立ちます。この時、いちごの根も一緒に引っ張り上げられ、ブチブチと切断されてしまうのです。根が切れると、春になっても水を吸えず、そのまま枯れてしまいます。

これを防ぐために行うのが「マルチング(株元の保護)」です。農業の現場ではワラや黒いビニールを使いますが、家庭菜園、特にベランダなどの目につく場所では、見た目も重視したいですよね。

そこでおすすめなのが、100均の園芸コーナーや手芸コーナーにある「ココヤシファイバー」「インテリアバーク(木のチップ)」です。

おしゃれで機能的な冬支度

いちごの株元を囲うように、ココヤシファイバーをふんわりと敷き詰めてあげてください。これが天然の断熱材(お布団)となり、土の表面温度が急激に下がるのを防いでくれます。また、水やりの際に泥が跳ね返って葉の裏に付着するのを防ぐため、病気の予防効果も絶大です。

さらに、寒波が予想される氷点下の日には、100均の「園芸用不織布」が活躍します。これをプランター全体にふわりとかけて、洗濯バサミで留めておくだけで、冷たい風や霜から葉を守ることができます。ビニール袋ですっぽり覆ってしまうと、昼間に内部が高温になりすぎて蒸れてしまうことがありますが、不織布なら通気性があるのでその心配もありません。

冬の間、いちごは葉を地面にへばりつくように広げ(ロゼット状と言います)、じっと春を待ちます。枯れたように見えるかもしれませんが、中心のクラウンが緑色なら生きています。古くなって赤茶けた外側の葉は取り除き、株元に日光が当たるようにして、春の訪れを待ちましょう。

100均いちごプランターで収穫を目指す

ここまで、100均資材をフル活用して、プロ顔負けのいちごを育てるためのノウハウをお伝えしてきました。長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございます。

「たかが100均、されど100均」です。プランターの選び方、土の配合、そして季節ごとのちょっとしたケア。これらを丁寧に行えば、高価なブランド苗や専用の資材を使わなくても、驚くほど甘くて味の濃いいちごを収穫することは十分に可能です。

そして、いちご栽培の最大の魅力は、収穫して終わりではないところにあります。無事に収穫を終えた初夏、親株からは「ランナー」と呼ばれるツルが勢いよく伸びてきます。このツルの先にできる子株を、また100均の小さなポットで受ければ、来年のための苗が無料で手に入ります。1株から5株、10株とねずみ算式に増やしていくことができるのです。

つまり、最初の年にしっかりと道具を揃えて(といっても100均ですが)栽培方法をマスターしてしまえば、2年目以降は土の再生材や肥料代などのわずかなコストだけで、無限にいちご栽培を楽しむことができるようになります。これこそが、最高のコストパフォーマンスではないでしょうか。

朝起きて、ベランダの窓を開けると、甘い香りと共に真っ赤ないちごが待っている。そんな豊かな時間が、あなたの日常に加わることを願っています。まずは今週末、お近くの100均ショップへ足を運んで、プランター選びから始めてみませんか?

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