こんにちは。今日も田んぼと畑から、運営者の「あつし」です。
里芋の栽培をしていると、株元からひょっこりと顔を出す小さな芽が気になりますよね。この芽をそのままにしていいのか、それとも芽かきという作業が必要なのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に家庭菜園で土垂や石川早生を育てていると、いつまで作業を続けるべきか、具体的なやり方はどうすればいいのか、迷うポイントがたくさんあります。また、セレベスのような親子兼用品種だと、芽かきの頻度や追肥、土寄せとのタイミングも重要になってきます。この記事では、私が実際に畑で試行錯誤しながら学んだ知識をもとに、里芋の芽かきに関する疑問をスッキリ解決できるようにお話ししていきます。最後まで読めば、大きな里芋をたくさん収穫するためのコツがしっかり分かりますよ。
- 里芋栽培で芽かきが必要な理由と収穫量への影響
- 品種ごとの特徴に合わせた芽かきの判断基準
- 失敗しない芽かきの具体的な手順と道具の消毒方法
- 追肥や土寄せと連動させた効率的な管理スケジュール
里芋の栽培で芽かきが必要な理由と大きな芋を育てるコツ
里芋を大きく、そして形良く育てるためには、なぜ芽かきという手間をかける必要があるのでしょうか。ここでは、芽かきが植物の成長に与える影響や、品種ごとの考え方の違いについて、私の経験を交えて分かりやすく解説します。
里芋の芽かきをしないとどうなる?放任栽培との違い
里芋の芽かきをせずに、いわゆる放任栽培にすると、地下の芋から次々と新しい芽が地上に伸びてきます。一見、葉っぱが茂って元気そうに見えますが、実はこれが落とし穴なんです。地上に芽がたくさん出ると、本来なら芋を大きくするために使われるはずの栄養が、茎や葉を伸ばすために分散されてしまいます。その結果、収穫できる芋が小さくなったり、形がいびつになったりする傾向がありますね。
植物には「ソース(供給源)」と「シンク(貯蔵先)」という関係があって、里芋の場合、葉で作られた栄養を地下の芋に貯めていく必要があります。ところが、わき芽が育ちすぎてしまうと、そのわき芽自身が栄養を消費するシンクになってしまうんです。こうなると、親芋やメインの子芋に送られるべきデンプンが、わき芽の茎や葉を伸ばすためだけに浪費されてしまいます。このように栄養が分散してしまった状態では、こうなると全体の収穫重量は増えても、一つひとつの芋が小粒で「クズ芋」ばかりになってしまう可能性が高まるんですよね。
もちろん、放任栽培が全くダメというわけではありません。小さな孫芋や曾孫芋をたくさん収穫して、煮っころがしなどで数多く楽しみたいという家庭菜園ならではの楽しみ方もあります。芽かきをしないことで、逆に収穫する「個数」自体は増えることが多いからです。「形や大きさは気にしないから、とにかく数がほしい!」という場合は、あえて芽かきをしないという選択肢も合理的だと思います。ただ、スーパーで見かけるような、ずっしりと重くて皮の剥きやすい立派な里芋を目指すなら、余分なわき芽を取り除く作業はやはり欠かせない工程かなと思います。
放任栽培のメリット・デメリット
| 項目 | 放任栽培(芽かきなし) | 管理栽培(芽かきあり) |
|---|---|---|
| 芋のサイズ | 小粒になりやすい | 大粒で重量感がある |
| 収穫個数 | 孫芋・曾孫芋が多くなる | 適正な数に絞られる |
| 作業負担 | 非常に楽 | 手間がかかる |
土垂や石川早生など子芋用品種の芽かきの必要性

私たちが普段スーパーでよく見かける「土垂(どだれ)」や「石川早生(いしかわわせ)」は、子芋や孫芋を食べるタイプの品種です。これらの品種では、親芋の勢いを保ちつつ、子芋にしっかりと栄養を送ることが大切になります。基本的には、親芋から出てくる勢いの強すぎるわき芽を間引くことで、子芋の肥大を助けることができます。私も最初は「芽を抜くなんてかわいそう」と思っていましたが、抜いた後の成長の良さを見ると、やっぱり必要な作業なんだなと実感しました。
石川早生のような早生品種は、植え付けから収穫までの期間が短いため、初期の生育スピードが非常に重要です。あまり神経質に芽をかきすぎると、逆に光合成をするための「工場」である葉っぱが足りなくなってしまうこともあります。わき芽からも多少の光合成は行われるので、全部を目の敵にして抜くのではなく、株元が込み合ってきたなと感じる部分を整理するくらいがちょうどいいかもしれませんね。
土垂の場合は、晩生で生育期間が長いため、放任しておくと夏場にジャングルのように葉が茂ることがあります。葉が重なり合うと下のほうに光が届かなくなり、結果的に芋の太りが悪くなってしまいます。
特に、子芋からさらに伸びようとする「孫芽」の勢いが強いときは、早めに摘み取ることで、子芋自体を大きく立派に育てることができます。私の畑でも、芽かきを丁寧に行った株は、掘り出したときの「ずっしり感」が明らかに違いましたよ。
親芋を食べる京いもやセレベスの芽かき戦略
一方で、親芋そのものを食べる「京いも(タケノコイモ)」などは、戦略がガラッと変わります。これらの品種は親芋を一本立ちさせて、それをタケノコのように太く長く育てるのが目的なので、わき芽は徹底的に除去するのが基本ですね。わき芽に栄養を取られてしまうと、メインの親芋がひょろひょろと細くなってしまい、京いもらしい食べ応えが損なわれてしまいます。この場合は「一本集中!」という気持ちで、芽が出てきたらすぐに欠き取るくらいの心構えがいいですね。
また、「セレベス(赤芽)」などの親子兼用品種の場合は、栽培する人の好みで戦略が決まります。セレベスは親芋もホクホクして非常に美味しいので、私は親芋を大きくすることを優先しています。その場合、わき芽は半分から3分の2くらい整理するようにしていますね。親芋が立派になると、一個で家族全員の煮物が作れるくらいの大ボリュームになります。ただ、親芋を巨大化させすぎると、水分が多くなってしまい、冬の貯蔵中に腐りやすくなるというデメリットもあります。自分のライフスタイルに合わせて、「今年は子芋中心にしようかな」とか「親芋をメインにしよう」と調整できるのが、この品種の面白いところです。
なお、里芋の貯蔵や品質管理については、公的な情報を参考にするとさらに理解が深まります。(出典:農林水産省『野菜の適正な貯蔵及び乾燥について』)このように、収穫した後のことまで考えて芽かきの強度を調整するのが、ちょっとしたプロのコツかもしれませんね。
芽かきで養分を集中させ秀品率と収穫量を向上させる
芽かきの最大のメリットは、何と言っても「養分の集中」です。限られた土の栄養と、限られた太陽のエネルギーを、ターゲットとなる芋にギュッと集めるイメージですね。これによって、一個あたりの重量が増し、見た目も丸々と綺麗な「秀品」と呼ばれる里芋が育ちやすくなります。特に市場出荷を考えている農家さんにとっては、この秀品率が収入に直結するため、非常に神経を使う作業なんです。私たち家庭菜園派も、どうせ育てるなら見栄えの良い美味しい芋を収穫したいですよね。
さらに、芽かきには「作業効率の向上」という側面もあります。芽かきをせずに育てた株は、収穫のときに小さな芋が無数に付いていて、泥を落としたり根を切ったりする作業がものすごく大変になります。一方で、適切に芽かきをした株は、芋の数が整理されているため、収穫後の調製作業が驚くほどスムーズに進みます。腰を痛めやすい収穫作業を楽にするためにも、夏の間のひと手間が効いてくるわけです。
また、芽かきをすることで株元がスッキリし、風通しが良くなるのも隠れたメリットです。多湿を好む病原菌や害虫(アブラムシなど)は、空気がよどんだ場所を好みます。芽かきで風の通り道を作ってあげることは、農薬に頼りすぎない環境的防除としても非常に効果的ですよ。太陽の光が株元までしっかり届くようになると、土の温度も適正に保たれ、芋の成熟が促進されます。
里芋の栽培における芽かきの時期と失敗しない手順
芽かきの重要性が分かったところで、次は「いつ、どうやってやるのか」という実践的なお話をしていきます。タイミングを間違えると逆効果になることもあるので、しっかりチェックしていきましょう。私の失敗談も含めて、具体的にお伝えしますね。
芽かきを行う最適な時期といつまで続けるべきか
芽かきの開始時期は、だいたい植え付けから1〜2ヶ月経った、本葉が3〜4枚になった頃が目安です。地域やその年の天候にもよりますが、カレンダーでいうと5月下旬から6月頃ですね。この時期に最初に出てくる弱々しいわき芽は、まだ根もしっかり張っていないので、指先で簡単に整理することができます。この「初期の整理」をしておくと、主茎がぐんぐん太くなって、その後の株全体の体力が変わってきますよ。
その後、夏に向けて気温が上がってくると、里芋は猛烈な勢いで成長します。この成長期に合わせて、2回目、3回目の土寄せを行うのですが、そのタイミング(だいたい2週間〜3週間おき)で芽かきを並行して行うのが理想的です。暑い中での作業は大変ですが、土寄せとセットにすることで「ついで作業」にできるので、心理的なハードルも下がりますよね。
そして、皆さんが一番迷うのが「いつまで続けるか」ですが、目安としては8月中旬のお盆過ぎまで、と考えておけば間違いありません。この時期に行う「最後の土寄せ(止め土)」が、芽かき作業のデッドラインです。なぜかというと、8月後半からの里芋は、地上部の成長を止めて、すべてのエネルギーを地下の芋を太らせるために使い始めるからです。この大事な時期に大きな芽を引き抜いたりして株を傷つけると、里芋が「おっと、修復にエネルギーを使わなきゃ!」と焦ってしまい、芋の太りが止まってしまうリスクがあるんです。秋の収穫を最大化するためにも、お盆を過ぎたらあとは見守るスタイルに切り替えましょう。
ハサミや鎌の消毒で軟腐病などの伝染性病害を防ぐ

ここが一番注意してほしいポイントなのですが、芽かきに使うハサミや鎌は必ず消毒してください。里芋は「軟腐病(なんぷびょう)」という、芋がドロドロに腐って強烈な悪臭を放つ怖い病気にかかりやすいんです。この病原菌は細菌なので、傷口から簡単に侵入します。もし、知らずに病気にかかり始めている株を切ったハサミを、そのまま健全な株に使ってしまうと、次々に病気を媒介することになってしまいます。これを「機械的伝染」と言いますが、これが原因で畑が全滅することもあるんです。
消毒と聞くと「アルコールランプで炙るの?」とか「高価な薬品が必要?」と思うかもしれませんが、もっと身近なもので大丈夫。ご家庭にあるキッチンハイターなどの塩素系漂白剤を水で数倍に薄めたものを用意してください。コップやバケツにその液を入れておき、株を移動するたびに刃先をチャプチャプと浸けるだけでOKです。これだけで、病気の蔓延リスクを劇的に下げることができます。
作業を行う天候も重要です。芽かきは必ず「晴天の日」に行いましょう。晴れていれば、切り口が日光と風ですぐに乾いて、天然のカサブタ(キュアリング効果)ができます。逆に雨の日にやると、傷口がいつまでも湿ったままで、そこから菌が入り放題になってしまいます。里芋を守るためにも、「晴れた日の午前中に消毒したハサミで!」を合言葉にしましょうね。
種芋を動かさない引き抜き方とわき芽の切り取り方

具体的なやり方ですが、まだ芽が小さくて柔らかいうちなら、手で引き抜くこともできます。ただし、ここで一番やってはいけないのが「力任せに引っこ抜く」ことです。里芋のわき芽は地下で親芋や子芋としっかり繋がっています。強引に引っ張ると、メインの親芋まで浮き上がってしまい、せっかく張った大切な根をブチブチと切ってしまうことになります。
もし芽が育って太くなっていたり、手で抜くのが怖いなと感じる場合は、無理をせずハサミや鎌を使ってください。地際(地面スレスレ)のところでスパッと切り取ります。このとき、あまり深く切り込みすぎると親芋の本体を傷つけてしまうので、表面を撫でるように切るのがコツです。また、芽が小さいうちなら「踏み倒し」という技もあります。芽を外側に向かって足で踏んで倒し、その上から土を被せてしまう方法です。これなら傷口が露出しにくいので、病気のリスクも低く、かつ成長を止めることができます。私は面倒なときはこの「埋没法」をよく使っていますが、結構効果的ですよ。
作業中に種芋が動いてしまった場合は、すぐに周りの土を寄せて踏み固め、たっぷりと水をあげて根の乾燥を防いでください。里芋は一度ダメージを受けると回復に時間がかかるので、とにかく「優しく、慎重に」が基本ですね。
追肥や土寄せとセットで行う効率的な芽かき作業

芽かきは単独でやるよりも、追肥(肥料やり)と土寄せをセットで行うのが一番効率が良いです。というか、農家さんの多くはこのタイミングを逃さずにまとめて作業しています。私も最初の頃はバラバラにやっていて、「あ、また畑に行かなきゃ」と疲れてしまっていましたが、セットにすることで劇的に楽になりました。以下に、理想的なスケジュールをまとめましたので参考にしてください。
| 回数・時期 | 作業内容の詳細 | あつし流のポイント |
|---|---|---|
| 1回目(6月中旬) | 最初の芽かき + 追肥 + 土寄せ(5cm) | 初期のわき芽を整理。化成肥料をパラパラと。 |
| 2回目(7月上旬) | 伸びた芽の除去 + 追肥 + 土寄せ(5cm) | この時期の土寄せが子芋を丸く太らせます! |
| 3回目(8月中旬) | 最後の整理 + 土寄せ(10cm〜15cm) | 「止め土」です。芋が顔を出さないようたっぷり盛る。 |
追肥には即効性のある化成肥料が使いやすいですが、有機栽培を目指すならボカシ肥料などもいいですね。ただし、肥料が直接芽かきの切り口に触れると、そこから腐敗することもあるので、株元から少し離して円を描くように撒くのがコツです。土寄せをすることで、切った芽の跡を土で覆い隠すことができ、見た目もスッキリします。この一連の流れをこなすと、「あぁ、今年も里芋作りを頑張ってるな!」という充実感がありますよ。ちなみに、植え付け時の基礎知識が不安な方は、里芋の植え付け方法を解説した記事もあわせて確認しておくと、来年の準備にも役立つはずです。
真夏の水管理を徹底して芽かきの効果を最大化する

意外と忘れがちなのが、芽かきをした後の水やりです。里芋は野菜の中でもトップクラスに水を欲しがる作物で、その体の大部分が水分でできていると言われています。特に芽かきや土寄せをした直後は、土を動かしたことで根の周りに隙間ができ、非常に乾燥しやすい状態になっています。真夏のカンカン照りの時期に水不足になると、せっかく芽かきをして養分を集中させようとしても、肝心の「運搬役」である水が足りずに、芋が太れなくなってしまいます。
水が足りなくなると、里芋の大きな葉っぱがダラリと垂れ下がってきます。これは「喉が乾いたよ!」というサイン。こうなる前に、朝か夕方の涼しい時間帯にたっぷりと水をあげてください。私は真夏の猛暑日には、株元に水が溜まるくらいたっぷりあげています。「里芋は足音(水やり)を聞いて育つ」なんて言葉があるくらいですが、本当にその通り。芽かきを頑張った後こそ、しっかり水分補給をしてあげることで、秋の収穫が驚くほど変わります。
もし、毎日水やりをするのが大変なら、株元に「敷きワラ」や「刈り取った雑草」を厚く敷いておくのも手です。これがマルチの代わりになって、土の温度上昇と乾燥を防いでくれます。芽かきをして、土寄せをして、ワラを敷いて、最後にたっぷり水をあげる。ここまでやれば、猛暑の夏も里芋たちは元気に乗り切ってくれるはずです。水管理がしっかりできている株は、葉の色が濃く、茎も太くなって、掘り出したときの芋のツヤが全然違いますよ!
里芋の栽培で芽かきをしっかり行い収穫を増やす方法のまとめ

ここまで里芋の芽かきについて、私の経験をたっぷり詰め込んでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。芽かきは、大きな里芋を収穫するためにとても大切な「攻め」の作業です。単なる草むしりの延長ではなく、植物の生命力をコントロールして、私たちが食べる芋の部分に全エネルギーを注いでもらうための重要なステップなんですよね。
品種に合わせて、適切な時期に、そして清潔な道具を使って丁寧に行うこと。これこそが、家庭菜園でプロ並みの里芋を収穫するための最短ルートです。作業は少し大変かもしれませんが、秋に土の中からラグビーボールのような立派な親芋や、丸々と太った子芋が次々と出てくるあの快感を一度味わうと、「あぁ、夏の間の芽かきを頑張ってよかった!」ときっと思えるはずです。もちろん、週末しか畑に行けない方は、無理のない範囲で大丈夫。一部の株だけで芽かきを試してみて、秋に収穫した時の大きさを比べてみるのも面白い実験になりますよ。
この記事の内容は一般的な目安ですので、お住まいの地域の気候や実際の畑の土の状態を見ながら、自分なりのベストなタイミングを探ってみてください。詳しい栽培指針や地域の推奨品種などについては、お近くの農業協同組合(JA)や自治体の公式サイトもあわせて確認してくださいね。今年の秋には、皆さんの畑で美味しい里芋がゴロゴロと収穫できることを、心から応援しています!
※この記事の数値データはあくまで一般的な目安です。最終的な判断は専門家にご相談ください。

