【徹底解説】カボスの収穫時期ガイド:露地・ハウス・完熟まで

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こんにちは。今日も田んぼと畑から、運営者の「あつし」です。

秋になると、畑仕事の合間に飲む水が美味しいのと同じくらい、サンマにカボスをキュッと絞るのが楽しみですよね。あの爽やかな香りがたまりません。

ただ、家庭菜園でカボスを育ててみようかなと思った時や、スーパーでカボスを見かけた時に、「あれ、カボスの収穫時期っていつが正解なんだろう?」と疑問に思ったことありませんか。夏に見かける緑色のものもあれば、秋が深まると思いがけず黄色い完熟カボスなんてものも聞きますし、そもそも春先にハウス栽培のものもあるみたいで。

緑色のうちに採るのが良いのか、それとも黄色くなるまで待つべきなのか。収穫開始のサインや、いつまでに採り終えるべきか(やめどき)の目安も気になります。また、せっかくなら正しい収穫方法や剪定、摘果のやり方も知っておきたいですし、カボスとすだちの違いも意外と曖昧だったりします。

今日は、そんなカボスの収穫時期に関する疑問を、家庭菜園仲間(と勝手に思っています)の目線で、詳しく整理してみたいと思います。

  • カボスの収穫時期が複数ある理由(ハウス・露地・完熟)
  • 露地栽培と完熟(黄カボス)の時期と味の違い
  • 収穫のサインと、プロも実践する「二度切り」のコツ
  • 来年のための剪定や摘果、収穫後の保存方法
目次

カボスの収穫時期はいつ?種類別に解説

まず一番気になる「カボスの収穫時期」ですが、調べてみると「〇月です」と一言では言えないことが分かりました。なぜなら、栽培方法(ハウスか露地か)と、どの熟度で収穫するか(青いか黄色いか)によって、時期が大きく異なるからなんですね。それぞれの特徴を、もう少し詳しく見ていきましょう。

収穫時期が違う理由:ハウスと露地

カボスの収穫カレンダーがややこしく見える一番の理由は、この二つの栽培方法が、それぞれ違う目的を持っているからです。

ハウス栽培(施設栽培): これは、文字通りビニールハウスや施設内で、温度や水分を人の手で管理して育てる方法です。冬場から加温を始めることで、自然のサイクルよりもずっと早く実をつけさせることができます。これにより、旬である秋以外の時期(特に春~夏)にも市場に供給できるわけですね。

露地栽培: これが昔ながらの栽培方法で、太陽の光と雨、その土地の気候といった自然の恵み(と時には厳しさ)の中で育てるものです。一般的に「カボスの旬」と言われて私たちがイメージするのは、この露地栽培のものです。私の畑の野菜たちと同じで、やっぱり露地ものは、その季節(旬)の力が凝縮されている感じがしますね。

ハウスカボスの収穫カレンダー

ハウス栽培のカボスは、かなり早い時期から収穫が始まります。

  • 収穫時期: 3月頃 ~ 7月下旬頃
  • 食べごろの旬: 3月 ~ 5月中旬頃

露地ものが出回る前の時期を、まるっとカバーしてくれています。このおかげで、私たちはほぼ一年中カボスを楽しめるわけです。

大分県の「産地リレー」

一大産地である大分県では、このハウス栽培の収穫がリレー形式で行われるそうです。まず3月頃に杵築市(きつきし)から収穫が始まり、5月には臼杵市(うすきし)、そして6月からは竹田市へと、主要な産地が収穫・出荷の時期をずらしていくことで、長期間にわたる安定供給を実現しているんですね。まさにプロの技です。

ハウスで丁寧に管理されて育ったカボスは、深い緑色をしているのが特徴だとか。春先の爽やかな酸味は、このハウスカボスが届けてくれているんですね。

露地カボス(青カボス)の旬と特徴

こちらが、いわゆる「カボスの本番」「旬」ですね。焼き魚や鍋物に欠かせない、あの緑色のカボスです。

  • 収穫時期: 8月上旬 ~ 10月頃
  • 最盛期(旬): 9月下旬 ~ 10月頃

8月のお盆あたりから果汁が搾れるようになり収穫がスタートし、秋が深まる9月下旬から10月にかけて最盛期を迎えます。

この時期の青カボスは、他の時期とは比べ物にならないほど香り高く、キリッとした強い酸味を持っているのが最大の魅力です。

風味の秘密:クエン酸

この酸味の主成分はクエン酸です。よく「疲労回復に良い」と言われますが、これはクエン酸が体内でエネルギーを生み出すサイクル(TCA回路)をサポートする働きが期待されているからだそうです。

夏の終わりの疲れた体に、この酸味が染み渡るわけですね。焼き魚や鍋物はもちろん、お刺身や酢の物に使うと、料理全体の格が上がる気がします。

完熟(黄カボス)の収穫と味

そして、もう一つが「黄カボス」です。私も最近知ったのですが、カボスは収穫せずに樹上でそのまま完熟させると、レモンのように黄色く色づきます。

  • 収穫時期: 10月中旬 ~ 11月以降

露地栽培の青カボスの収穫をあえて遅らせ、10月中旬を過ぎても収穫せずに木にならせておくと、果皮が徐々に黄金色に変わっていきます。これを収穫したものが「黄カボス」や「完熟カボス」と呼ばれます。

「味が落ちる」という誤解

よく「カボスは黄色くなると香りが飛んで味が落ちる」と言われますが、これはあくまで「青カボス」としての価値(強い酸味と香り)を求めた場合の評価です。

意図的に完熟させた「黄カボス」は、酸味の角が取れて非常にまろやかになり、代わりにほんのりとした甘みを感じるようになります。これは「劣化」ではなく、青カボスとはまったく別の魅力を持つ食材への「変化」なんですね。

そのまろやかな酸味は、ジュースや加工品、または酸味を抑えたい酢の物などに適しているそうです。

流通上の注意点

ただし、この完熟した黄カボスは、皮が柔らかくなる分、青カボスに比べて非常に傷みやすくなります。生果(生鮮品)として長距離を輸送するのが難しいため、その多くは産地である大分県内で消費されたり、産地直送の通販などでないと、なかなかお目にかかれないかもしれませんね。

カボスとすだち・ゆずの違い

ここでちょっと一息。カボスとよく似ている「すだち」や「青ゆず」。どれも緑色で酸味があって、料理に添えられると混同しやすいですよね。

私も畑でゆずを育てていますが、たまにお店ですだちを見ると「お、小さいカボスだ」なんて思ってしまうことも(笑)。ここで、それぞれの違いをハッキリさせておきましょう。

項目 カボス すだち ゆず(青ゆず)
大きさの目安 テニスボール大 (100~150g) ゴルフボール大 (40~50g) 中間くらい (約120g)
ヘタ(軸の付け根) 盛り上がっている 凹んでいる (特記事項なし)
果肉の色(緑の皮の中) 赤みのある黄色 緑色 黄色
主な特産地 大分県 徳島県 高知県など全国

こうして見ると、大きさの違いが一目瞭然ですね。カボスはテニスボール大でずっしりしていますが、すだちはゴルフボール大と小ぶり。そしてヘタの部分も、カボスは盛り上がっているのに対し、すだちは凹んでいるという、分かりやすい違いがあります。

カボス収穫時期と正しい収穫・管理法

カボスの収穫時期がいろいろあることは分かりました。では、もし家庭菜園などで自分で育てる場合、いつ、どのように収穫すればよいのでしょうか。畑仕事にも通じる、収穫のコツや収穫後の管理方法について見ていきたいと思います。

収穫開始とやめどきのサイン

カボスを収穫するタイミング、特に家庭菜園だと悩みますよね。「もう採っていいのかな?」「まだ早いかな?」と。

収穫開始のサイン

収穫を開始するサインは、主に「大きさ」と「色」、「状態」で判断します。

  • 大きさ: 実がテニスボールくらいの大きさ(重さにして100g~150g程度)になったら目安です。
  • 色: 果皮が濃い緑色をしている、ツヤのある状態がベストです。
  • 状態: 手に持ってみて、果実がカチカチではなく、適度にふくらみ、果汁がしっかり詰まっている重さを感じたら収穫可能です。

収穫の「やめどき」(品質の境界線)

これが家庭菜園では一番重要かもしれません。前述の「黄カボス」をあえて作る目的がない限り、収穫は果実が黄色く色づき始める前に終えるのが鉄則です。

なぜ黄色くなる前に収穫?

一般的に市場で求められるカボスは「青カボス」です。果皮が黄色くなり始めると、カボス特有の爽やかな香りが弱くなり、強い酸味もまろやかになってしまいます。(=黄カボスの特徴に変化する)

青カボスとして使いたい場合は、風味が落ちたと感じられるため、緑色のうちに収穫を終えるのがベストなんですね。

収穫方法のコツ:二度切りとは

カボスを収穫する際には、ちょっとしたコツと注意点があります。

服装の注意:トゲ対策は万全に

まず、カボスの枝や幹には、鋭いトゲが潜んでいます。私も畑でナスやオクラのトゲにやられることがありますが、柑橘類のトゲは太くて鋭いので、本当に要注意です。不用意に触れると怪我の原因になります。

収穫作業は必ず厚手の長袖、長ズボン、そして革製やゴム引きのしっかりした手袋(軍手)を着用して、肌の露出を避けてください。

プロが実践する「二度切り」

カボスの収穫は、清潔な剪定ハサミを使いますが、この時「二度切り」という技術を使うのが基本です。これは、収穫した実の保存性を高めるために、プロの農家さんが実践している大事なテクニックです。

なぜこれが必要かというと、一度で切ると、実についているヘタの枝(軸)が長く残ってしまいます。この枝が、カゴやコンテナの中で他の実を突き刺して傷つけてしまうんです。果実の傷は、そこから水分が蒸発したり、雑菌が入ったりして、腐敗の直接的な原因になります。この一手間が、収穫後の品質を大きく左右するんですね。

「二度切り」の手順

  1. 一度目(枝切り): まず、実から少し離れた場所(5mm~1cm程度)の枝をハサミで「パチン」と切って、実を木から離します。
  2. 二度目(軸切り): 収穫した実を手に持ち、実本体を傷つけないよう慎重に、ヘタの付け根ギリギリの部分で、残った枝(軸)をきれいに切り落とします。

二度切りのコツ

二度目のカットの際、軸を切りすぎてヘタ(ガクの部分)ごと取ってしまわないよう注意が必要です。ヘタが取れると、そこが穴になってしまい、結局そこから傷みやすくなります。ギリギリを攻めつつも、ヘタ本体は残すのがコツですね。

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収穫後の正しい保存方法(冷蔵・冷凍)

せっかく収穫したカボス、できるだけ長く楽しみたいですよね。カボスは収穫後も呼吸をしています。常温で放置すると、水分が蒸発してシワシワになったり、果皮が黄色く変色(追熟)して風味が飛んでしまいます。美味しさを保つ基本は「低温」と「保湿」です。

冷蔵保存(短期~中期)

冷蔵保存の最大のポイントは「乾燥を防ぐ」ことです。いくつか方法があります。

  • A: ポリ袋(ビニール袋)に入れる: 一番簡単な方法です。いくつかまとめて袋に入れ、口を軽く閉じて野菜室へ。
  • B: ペーパータオルで包む: カボスの水気を拭き取り、乾いたペーパータオルや新聞紙で1個ずつ包んでからポリ袋に入れます。湿度の調整がうまくいき、より長持ちしやすいです。
  • C: ラップで個別に包む: 1個ずつラップでぴったりと包むと、乾燥をかなり防げます。

これらの方法で、冷蔵庫の「野菜室」(温度が高すぎず低すぎない)で保存します。 適切に保存すれば1ヶ月程度は新鮮さを保てますが、カボス最大の魅力である豊かな香りや風味を楽しむなら、収穫後(購入後)2週間程度で使い切るのが、やっぱり一番のおすすめかなと思います。

冷凍保存(長期)

一度に大量に手に入った場合や、長期保存したい場合は、冷凍保存が圧倒的に便利です。用途に合わせて冷凍しましょう。

  • 果汁として冷凍: 絞った果汁を製氷皿に入れ、小分け(キューブ状)にして冷凍します。凍ったらジップロックなどに移し替えます。飲み物やドレッシングに、必要な分だけポイッと入れられるので非常に便利です。
  • 皮として冷凍: 皮の香りだけを使いたい場合(料理やお菓子の香りづけ)は、すりおろしたり、刻んだりして、ラップに薄く広げて冷凍しておくと、使いたい時にすぐに使えます。
  • 丸ごと冷凍: 丸ごと、あるいは半分にカットして冷凍することも可能です。使うときは凍ったままおろしたり、半解凍で果汁を絞ったりできます。

我が家でも夏野菜が採れすぎた時はよく冷凍保存しますが、柑橘類も用途別に冷凍しておくと、旬の時期が終わっても長く楽しめて本当に重宝しますね。

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来年のための夏の摘果作業

カボスの収穫は、秋の作業だけで完結するものではありません。来年も美味しい実を安定して収穫するためには、夏の「摘果(てきか)」という作業が欠かせません。

カボスの木も、実をたくさんつけすぎると体力を消耗してしまい、一つ一つの実が小さくなったり、最悪の場合、翌年にまったく実がつかなくなる「隔年結果(かくねんけっか)」という現象を起こしやすくなります。

  • 時期: 6月~7月頃(実がまだ小さいうちに)
  • 目的: 余分な実を間引くことで、残した実に栄養を集中させ、大きく美味しい実を育てるためです。
  • 方法: 小さすぎる実、傷がついた実、形が悪い実、上向きや下向きにつきすぎている実を取り除きます。目安として「葉っぱ20~30枚に対して実が1個」くらいになるように調整すると良いそうです。

これは、私が畑でナスやトマトの「芽かき」をしたり、トウモロコシを間引いたりするのとまったく同じ理屈ですね。植物の負担を減らして、質の良い収穫物を得るための大切な作業です。

来年のための春の剪定作業

そしてもう一つ、果樹を育てる上で「剪定(せんてい)」は、収穫量や品質を左右する非常に重要な作業です。

剪定の時期と目的

  • 時期: 2月下旬~3月

これは、カボスが本格的に活動を始める春(開花期は5月頃)の前の、木の休眠期にあたります。木へのダメージが少なく、新芽が出る前に作業を終えられる最適なタイミングです。

目的は、不要な枝を間引き、木の内部まで日光が当たるようにすることです。日当たりと風通しを良くすることで、病害虫の発生を防ぎ、養分が効率よく実にいきわたるようになり、結果として実つきが良くなります。

剪定の方法

具体的には、以下のような「不要な枝」を、付け根から切り落とします。

  • 徒長枝(とちょうし): 上に勢いよく伸びすぎている枝
  • 内向枝(ないこうし): 幹の中心に向かって内側に生えている枝
  • 交差枝・混み合った枝: 他の枝と交差したり、密集しすぎている部分
  • 細く弱い枝や枯れ枝

これは、米作りでいう「中干し」で稲の生育をコントロールしたり、野菜の「芽かき」や「整枝」で脇芽を取ったりするのと考え方はとても似ています。植物が持つ力を、私たちが望む方向(=美味しい実)に最大限に引き出してあげるための、大切なひと手間ですね。

【まとめ】カボスの収穫時期を知る

今回は、カボスの収穫時期について、春先のハウス栽培から、秋の露地栽培、そして晩秋の完熟(黄カボス)まで、幅広くまとめてみました。

カボスの収穫時期は「一つではない」こと、そして私たちがカボスに何を求めるか(強い酸味と香りか、それともまろやかな甘みか)によって、収穫すべき最適なタイミングが変わってくる、ということがよく分かりました。

家庭菜園で育てる場合は、トゲに気をつけながら「二度切り」で丁寧に収穫し、適切な摘果や剪定で来年の実りにつなげていく。そして収穫後は、冷蔵や冷凍で風味をしっかり保存する。こうした一連の流れを知ることで、カボスがより一層身近な存在に感じられるようになった気がします。

皆さんも、ご自身のライフスタイルに合った旬のカボスを、上手に楽しんでくださいね。

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