ささげの栽培に挑戦しているけれど、摘心のやり方やタイミングが分からずお困りではありませんか。たくさん収穫するためには摘心が重要だと聞くけれど、具体的にどうすれば良いのか、そもそも自分の育てている品種にも必要なのか、疑問は尽きないものです。特に、プランターでの育て方や、つるなしささげの場合の管理方法、赤飯用や金時ささげといった品種による違いなど、知りたいことは多いですよね。また、適切な種まき時期から支柱の立て方、効果的な肥料や追肥のコツ、そして厄介な害虫対策まで、成功のためには多くのポイントがあります。この記事では、ささげ栽培における摘心の基本から応用まで、あなたの疑問を一つひとつ丁寧に解決するために必要な情報を、より深く、網羅的に解説します。
この記事で分かること
- 摘心の正しいタイミングと具体的な方法がわかる
- 品種や栽培環境に合わせた育て方のコツを学べる
- 収穫量を増やすための管理ポイントを理解できる
- 害虫対策や肥料の適切な使い方を習得できる
成功へ導くささげ栽培と摘心の基本
- 最適な種まき時期と土壌の準備
- プランターで栽培する際の注意点
- 収穫量アップに欠かせない支柱の立て方
- 肥料・追肥で生育を促すタイミング
- 注意すべき害虫の種類と予防策
最適な種まき時期と土壌の準備

ささげの栽培を成功させる最初の、そして最も重要なステップは、適切な時期に種をまき、最適な土壌環境を整えることです。ささげはアフリカ原産の野菜であり、その性質から高温を好みます。そのため、日本の気候では十分に暖かくなってから栽培をスタートさせるのが揺るぎない基本となります。
最適な種まき時期は、お住まいの地域によって多少異なりますが、一般的には平均気温が20℃を超え、地温が安定してくる5月中旬から6月上旬が適期です。焦ってこれより早くまいてしまうと、低温によって種が発芽せずに腐ってしまったり、運良く発芽しても初期生育が著しく悪くなったりする可能性があります。天気予報を確認し、遅霜の心配が完全になくなってから作業を始めるようにしましょう。
また、種まきと並行して進める土壌の準備も非常に重要です。ささげは水はけが良く、有機質に富んだふかふかの土を好みます。マメ科植物の多くがそうであるように、日本の土壌に多い酸性土壌を嫌う性質があるため、事前の土作りが後の収穫量を大きく左右します。
豊かな収穫のための土作り手順
畑で栽培する場合、種まきの2週間以上前に苦土石灰を1㎡あたり100g〜150gほどまき、深く耕して土壌の酸度を調整します。多くの野菜作りで言われるように、日本の土壌は酸性に傾きがちであるため、この作業は欠かせません。農林水産省が推進する土づくりにおいても、適切なpH管理は基本とされています。その1週間後に、完熟堆肥(牛ふんや腐葉土など)を1㎡あたり2kgほど、そして窒素成分が控えめな化成肥料を元肥として50gほど施し、再度よく耕して畝を立てます。

必ず避けたい「連作障害」
ささげは連作障害が非常に出やすい作物です。同じ場所でマメ科の野菜を続けて栽培すると、土壌中の特定の病原菌(フザリウム菌など)やセンチュウが増え、特定の養分だけが枯渇してしまいます。これにより、生育が著しく悪化し、収穫がほとんど見込めなくなることもあります。最低でも3〜4年、できれば5年以上はマメ科の野菜を栽培していない場所を選ぶことが、成功への絶対条件です。
プランターで栽培する際の注意点
ささげは広大な畑がなくても、プランターを使えばベランダなどの限られたスペースで手軽に栽培を楽しむことができます。都市部での家庭菜園にもぴったりの野菜ですが、成功させるためにはいくつか畑栽培とは異なる注意点があります。
最も重要なのは、適切なサイズのプランターを選ぶことです。ささげは、地上部の成長に負けず劣らず、地中深くまでたくさんの根を張る性質があります。そのため、浅いプランターでは根が窮屈な状態(根詰まり)になり、水や養分を十分に吸収できず、貧弱な株にしか育ちません。深さが最低でも30cm以上、容量が15L以上の大型で深型のプランターを用意するのが、豊かな収穫への第一歩です。
用土は、最初から野菜栽培用に栄養バランスが調整されている市販の「野菜用培養土」を使用するのが最も手軽で確実です。水はけをさらに良くするために、プランターの底には鉢底ネットを敷いた上で、鉢底石を2〜3cmの厚さで敷き詰めることを忘れないでください。水やりは、土の表面が白っぽく乾いたのを確認してから、鉢底から水が十分に流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。特に夏場は乾燥が激しく、朝に水やりをしても夕方には乾いてしまうこともあります。その場合は、朝と夕方の涼しい時間帯に2回水やりをしましょう。
プランター栽培ならではのメリット
プランター栽培は、畑と比べて土の量を管理できるため、連作障害の心配がなく、土作りや病害虫の管理が比較的容易であるという大きなメリットがあります。また、台風の接近時などには軒下へ移動させたり、日照条件に合わせて置き場所を調整したりと、環境を柔軟にコントロールできるのも嬉しいポイントです。
つるあり品種をプランターで育てる場合は、もちろん支柱が必須となります。プランターに直接差し込めるタイプの支柱や、円形に支柱を立てる「あんどん仕立て」などを利用して、伸びてきたつるを丁寧に誘引してあげましょう。

収穫量アップに欠かせない支柱の立て方

つるあり品種のささげを栽培する上で、支柱立ては単なる補助作業ではなく、収穫量を最大化するための非常に重要な工程です。適切に立てられた支柱は、つるを健全に上方向へと導き、葉や実にまんべんなく日光が当たる理想的な環境を作り出します。これにより光合成が最大限に促進され、花つきや実つきが良くなり、結果として収穫量の大幅な増加に繋がります。
支柱を立てる最適なタイミングは、本葉が3〜4枚程度に育ち、つるの先端が周囲に絡みつくものを探し始める直前です。この絶好の機会を逃し、つるが長く伸びてから慌てて設置しようとすると、既につる同士が地面で複雑に絡まってしまい、解きほぐしながら誘引する作業は非常に困難になります。また、地面に接した葉や茎から病原菌に感染するリスクも高まるため、何事も早めの準備が肝心です。
つるが「どこに絡まろうかな?」と探し始める前に、しっかりと道筋を作ってあげることが、ささげへの一番の思いやりですよ!
支柱の立て方にはいくつかの方法がありますが、家庭菜園で最もポピュラーで機能的なのが「合掌式」です。畝の両側に支柱を斜めに立てかけ、頂点で交差させて水平な支柱(横棒)で固定する方法で、構造的に安定感があり、強風にも強いのが特徴です。支柱の長さは150cm〜180cm程度のものを用意し、20〜30cmほど深く地面に突き刺して、手で揺すってもぐらつかないようにしっかりと固定しましょう。支柱を立てたら、きゅうりネットなどの園芸用のネットを張り、つるが自然に絡みやすいように準備します。つるが伸びてきたら、茎を傷つけないように麻ひもやビニール紐で軽く8の字に結び、ネットに優しく誘引してあげてください。
肥料・追肥で生育を促すタイミング
ささげの栽培において、肥料の管理は非常にデリケートかつ重要なポイントとなります。良かれと思って与えた肥料が、かえって収穫量を減らす原因になることもあるため、その特性をよく理解しておく必要があります。特に注意したいのが、窒素成分の与えすぎによる「つるボケ」という現象です。
つるボケとは、窒素肥料が過剰になることで、植物が子孫を残すための生殖成長(花や実をつける)よりも、自身の体を大きくする栄養成長(葉や茎を伸ばす)を優先してしまう状態です。葉や茎ばかりが青々と過剰に茂り、肝心な花が咲かなかったり、咲いても実がつかずに落ちてしまったりします。これを防ぐため、元肥は控えめにし、追肥で生育状況を細かく見ながら調整していくのが成功への近道です。
窒素肥料の与えすぎは禁物!「根粒菌」の働きを理解しよう
マメ科の植物が比較的少ない肥料で育つのは、その根に共生する「根粒菌」というバクテリアのおかげです。この根粒菌は、空気中の窒素を植物が利用できる形に変えて供給するという驚くべき能力を持っています。そのため、他の野菜と同じ感覚で窒素肥料を与えると、容易に窒素過多に陥ってしまうのです。
追肥を開始するタイミングは、株がエネルギーを最も必要とし始める「開花期」が最初の目安です。花が咲き始めたのを確認したら、株元から少し離れた場所に、リン酸やカリを主体とした化成肥料を少量まきましょう。その後は、実のつき方や葉の色といった株の健康状態を観察しながら、2週間に1回程度のペースで追肥を行います。もし葉の色が薄く、明らかに栄養が足りていないサインが見られたら、追肥の頻度や量を少し調整してみてください。
注意すべき害虫の種類と予防策

ささげは比較的病気に強く、育てやすい野菜の一つですが、いくつかの害虫による被害は避けられません。特に生育初期の柔らかい苗や、葉が茂って風通しが悪くなる梅雨時期以降は注意が必要です。化学農薬に頼らず安全な野菜を収穫するためには、害虫を寄せ付けない「予防」と、万が一発生した際の「早期発見・早期対処」が何よりも重要です。
ささげ栽培で特に注意すべき代表的な害虫と、その具体的な対策は以下の通りです。
アブラムシ
体長2〜4mmほどの小さな虫で、新芽や葉の裏にびっしりと群生し、植物の汁を吸って株を弱らせます。繁殖力が非常に高く、放置するとあっという間に増殖します。さらに、植物の病気であるウイルス病(モザイク病など)を媒介することもあるため、最も警戒すべき害虫の一つです。見つけ次第、粘着テープなどで取り除くか、数が多ければ牛乳や木酢液を希釈したスプレーを散布するのも効果的です。キラキラ光るものを嫌う習性があるため、株元にシルバーマルチやアルミホイルを敷いておくと、飛来を抑制する効果が期待できます。
ハモグリバエ(エカキムシ)
成虫が葉に産卵し、孵化した幼虫が葉の内部に潜り込んで組織を食べ進み、白い筋状の絵を描いたような食害痕を残します。見た目が悪くなるだけでなく、食害された部分は光合成ができなくなるため、被害が広がると株全体の生育に影響が出ます。被害を受けた葉は、内部の幼虫ごと、見つけ次第すぐに取り除いて畑の外で処分しましょう。
マメシンクイガ
小型の蛾の幼虫で、その名の通り、成長途中の若い莢の中に侵入して中の豆を食害します。被害は莢の内部で進行するため外からは見えにくく、収穫していざ食べようとしたら中が虫食いだらけだった、という悲しい事態を招きます。
害虫対策の基本は「予防的環境づくり」
これらの害虫被害を最小限に抑える最も効果的な方法は、種まき後や苗の植え付け直後から、防虫ネットで畝全体をトンネル状に覆ってしまうことです。これにより、物理的に害虫の成虫が飛来して産卵するのを防ぎます。また、株間を適切に保ち、後述する摘心や整枝を適切に行い、常に風通しの良い状態を維持することも、害虫が住み着きにくい環境を作る上で非常に重要です。JA全農も家庭菜園における病害虫対策として、物理的防除と風通しの良い環境維持を推奨しています。

ささげ栽培における摘心の具体的な方法
- 摘心のやり方は?手順とコツを解説
- つるなしささげに摘心は必要か?
- 赤飯用ささげを上手に育てる秘訣
- 金時ささげなど品種ごとの育て方
- ささげ栽培の摘心、重要点の総まとめ
摘心のやり方は?手順とコツを解説

いよいよ、この記事の核心である「摘心(てきしん)」の具体的な方法について、より詳しく解説します。摘心とは、主枝である親づるの先端(成長点)を意図的に摘み取ることで、植物の成長パターンをコントロールする重要な園芸技術です。この一手間を加えることで、収穫量を大幅に増やすことが可能になります。
摘心の主な目的は、頂芽優勢という植物の性質を打ち破ることにあります。頂芽優勢とは、一番高い位置にある芽(頂芽)の成長が優先され、その下にある芽(脇芽)の成長が抑制される現象です。摘心によって親づるの頂芽を取り除くことで、その抑制が解かれ、 dormant状態だった脇芽(子づるや孫づる)が一斉に発生・成長を始めます。脇芽がたくさん出ることで、花が咲き、実がなる場所が幾何級数的に増え、結果として収穫量が飛躍的にアップするという仕組みです。
最も重要なのが、摘心を行う適切なタイミングを見極めることです。早すぎると株全体の生育エネルギーが不足してしまい、逆に遅すぎると頂芽優勢が強く働きすぎて脇芽の発生が鈍くなり、摘心の効果が半減してしまいます。
品種や生育状況にもよりますが、親づるが順調に伸び、本葉が5〜6枚程度にしっかりと展開した頃が、最初の摘心のベストタイミングです。また、つるが支柱の上端に達したときも、それ以上の成長を抑制し、下部の充実に栄養を回すための重要な摘心タイミングとなります。
やり方はとても簡単です。病原菌の侵入を防ぐため、できればアルコールなどで消毒した清潔な園芸バサミを使い、親づるの先端部分を摘み取ってください。切る場所は、一番上の元気な葉のすぐ上あたりが目安です。この作業により、その下にある葉の付け根から、1〜2週間ほどで勢いのある脇芽が次々と伸びてくるのが確認できるはずです。
摘心がもたらす3つの大きなメリット
- 収穫量の飛躍的アップ:脇芽(子づる・孫づる)が増え、花と実がつく「収穫ポイント」が劇的に増加する。
- 品質の向上:株全体に栄養が効率よく分散し、一つ一つの実に栄養が行き渡りやすくなるため、形の良い莢が育つ。
- 病害虫リスクの軽減:つるが密集しすぎるのを防ぎ、株全体の風通しが良くなることで、湿気を好む病原菌や害虫の発生を抑制する。
一度摘心した後も、栽培期間を通じて管理は続きます。伸びてきた子づるや孫づるが過度に混み合ってきた場合や、支柱のキャパシティを超えて伸びすぎた場合は、同様にその先端を摘心(整枝)することで、株全体のバランスを常に最適な状態に保つことができます。
つるなしささげに摘心は必要か?
ここまで、つるあり品種を前提に摘心の絶大な効果と重要性をお伝えしてきましたが、「うちで育てているのは、つるが伸びないタイプなんだけど…」という方もいらっしゃるでしょう。
結論から明確にお伝えすると、「だるまささげ」に代表される、つるなし品種(矮性種)には、基本的に摘心は一切必要ありません。
つるなし品種は、その名の通りつるが長く伸びることなく、草丈が40〜60cm程度のコンパクトな樹形にまとまるのが最大の特徴です。品種改良によって、頂芽優勢が弱く、自ら自然に脇芽をたくさん出してこんもりと茂る性質を持っているため、人工的に摘心を行わなくても、十分に分枝し、たくさんの花と実をつけます。
初心者や省スペース栽培に最適なパートナー!
つるなしささげは、手間のかかる支柱立てが不要で、摘心作業も必要ないため、家庭菜園の初心者の方にとって、これ以上なくおすすめの品種です。また、コンパクトに育つため、プランターでのベランダ菜園や、畑のちょっとした空きスペースでの栽培にも非常に適しています。
むしろ、良かれと思ってつるなし品種の先端を摘んでしまうと、植物が本来持っている生育のプログラムが乱れ、全体のバランスが崩れてかえって収穫量が減ってしまう可能性すらあります。育てている品種が「つるあり」なのか「つるなし」なのか、その特性を事前にしっかりと理解し、それぞれの性質に合わせた管理を行うことが、何よりも大切なのです。
赤飯用ささげを上手に育てる秘訣

ささげの楽しみ方は、インゲンのように若い莢を食べるだけではありません。完熟させて収穫した豆は、古くから日本の食文化に深く根付いています。その代表格が、お祝いの席の主役であるお赤飯に欠かせない赤飯用ささげです。
赤飯用ささげは、小豆と違って煮ても皮が破れにくい(=腹切れしない)という特徴があります。この性質が、切腹を嫌う武士社会で縁起が良いとされ、江戸時代以降、お祝いの席で小豆の代わりに使われるようになったという歴史があります。この品種を育てる場合、若莢ではなく、栄養が凝縮された完熟豆を収穫することが最終目的となります。
栽培の基本的な流れは他のつるありささげと同様ですが、高品質な豆を収穫するためにはいくつか秘訣があります。赤飯用ささげは一般的な若莢用品種よりもやや繊細で、特に日当たりと水はけの良い環境を非常に好みます。粘土質で水はけの悪い場所では根腐れを起こしやすいため、畝を通常より高くする(高畝)など、徹底した排水対策を心がけましょう。
また、美味しい豆を収穫するためには、収穫のタイミングの見極めが非常に重要です。莢が緑色から徐々に黄色、そして茶色く変色し、株についたまま完全に乾燥して、振ると中で豆がカラカラと音を立てるようになったら完熟の合図です。天気の良い日を選んで株ごと引き抜き、さらに数日間、雨の当たらない風通しの良い場所で逆さに吊るして追乾燥させます。その後、莢から豆を丁寧に取り出し、密閉容器に入れて冷暗所で保存してください。
金時ささげなど品種ごとの育て方
ささげの世界は奥深く、これまで紹介した品種以外にも、日本各地で多種多様な在来種や改良品種が栽培されており、それぞれに個性的な特徴があります。代表的な品種の特徴を知ることで、自分の料理の目的や栽培環境に最適なものを選ぶ楽しみが広がります。
ここでは、家庭菜園で人気の代表的な品種をピックアップし、その特徴と育て方のポイントを比較しながら見ていきましょう。大手種苗メーカーであるタキイ種苗株式会社の公式サイトでも、様々な品種が紹介されており、その多様性を確認できます。
品種名 | 特徴・風味 | 摘心の要否 | 主な用途・調理法 |
---|---|---|---|
三尺ささげ | 莢が45cm以上、時には60cmにもなる長大種。暑さや乾燥に非常に強く、豊産性で作りやすい。風味はあっさりしている。 | 必要 | 若莢(天ぷら、炒め物、煮物) |
十六ささげ | 莢の中に豆が16個前後入っていることが名前の由来。30cm程度で、柔らかく甘みと風味が豊か。食味が良い人気品種。 | 必要 | 若莢(おひたし、胡麻和え、サラダ) |
金時ささげ | 鮮やかな赤紫色(金時色)の豆が特徴。煮崩れしにくく、豆自体の味が濃厚。煮豆にするとほっくりとした食感が楽しめる。 | 必要 | 完熟豆(煮豆、甘納豆、餡) |
だるまささげ | 草丈が低い「つるなし」品種の代表格。支柱不要でプランターにも最適。若莢も豆も両方楽しめる兼用種。 | 不要 | 若莢、完熟豆(赤飯など) |
このように、品種によってつるの伸び方や適した用途、そして味わいまでが大きく異なります。例えば、「三尺ささげ」や「十六ささげ」のような若莢を味わう品種は、食感が命です。採り遅れて筋張ってしまう前に、早め早めに収穫を繰り返すことが、長期間たくさんの収穫を楽しむコツです。一方で、「金時ささげ」のように豆そのものを利用する品種は、莢が完熟し、豆に栄養が最大限に蓄えられるまで、じっくりと株で育てることが重要になります。自分がどの品種を育てているのかをしっかりと把握し、その品種のポテンシャルを最大限に引き出す管理と収穫を心がけましょう。
ささげ栽培の摘心、重要点の総まとめ

この記事では、ささげ栽培における摘心の重要性から、種まき、土作り、害虫対策、そして品種ごとの特性に至るまで、成功のためのポイントを網羅的に解説してきました。最後に、今回の内容の重要点をリスト形式で簡潔に振り返ります。このポイントを押さえることで、あなたのささげ栽培はきっと成功に近づくはずです。
- ささげの摘心は収穫量を飛躍的に増やすために非常に有効な作業
- 摘心の最大の目的は脇芽の成長を促し花がつく場所を増やすこと
- つるあり品種の摘心は本葉が5〜6枚の頃が最初の絶好のタイミング
- つるが支柱の先端に達した際も重要な摘心ポイント
- つるなし品種(だるまささげ等)には基本的に摘心は不要
- 種まきは地温が十分に上がる5月中旬以降が安全で確実な適期
- 酸性土壌を嫌うため事前の苦土石灰による酸度調整は必須
- 連作障害を避けるため3〜4年はマメ科を栽培していない場所を選ぶ
- プランター栽培では深さ30cm以上の大型のものを選ぶことが成功の鍵
- つるあり品種には本葉3〜4枚の頃に早めに支柱を立てて誘引する
- 窒素肥料の与えすぎによる「つるボケ」には最大限の注意を払う
- 追肥は花が咲き始める頃から株の様子を見ながら少量ずつ行う
- アブラムシなどの害虫対策には防虫ネットによる物理的防除が最も効果的
- 株の風通しを良くすることが病害虫の総合的な予防につながる
- 品種によって特徴や主な用途が異なるため育てる品種の特性を理解する
- 豆を収穫する品種は莢がカラカラに乾燥するまで完熟させてから収穫する